【チェコ】『タネッツ』を読んで
2021年6月 7日
タネッツはチェコ語でダンスを意味します。そんな名前をもったzineが登場しました。zineとは「個人雑誌」のことで、同人誌と呼ばれるものに性格が似ています。
発起人の藤田琳さんを中心に14人が「チェコのこと」と題した特集のもと、おもに文化について文章やイラストを寄せています。「ビロード革命の後、90年代以降の作品を扱った雑誌を読んでみたい」と思ったのが発行の動機だそうです。
どの文章も読み応えがあり、それぞれのチェコに対する思い入れが伝わってきます。ただその思いを綴ったり、感想を書くのではなく、現地の人形劇作家にインタビューをしたりするなど手間暇をかけることで、「雑誌」としてとても魅力のある仕上がりになっています。手描きのイラストもいい感じです。
これまで多くの人がチェコについてさまざまなかたちで紹介してきましたが、新たな世代がこれまでとは少しちがうアプローチの仕方でチェコに迫っています。肩に力が入っていないのが持ち味なようで、こつこつ続けてほしいなと思います。
入手方法はこのサイトで確認してください。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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