【スロヴァキア】セセッション建築の扉
2022年2月21日
プラハやブダペストには多くのセセッション建築があり、建築を解説するガイドブック的な本もあります。
その点、ブラチスラヴァはまだ未開拓なところがあり、修復・改築も途上です。規模が比較的小さく目立たなかったり、老朽化等により見落としがちなのですが、逆にいえば思わぬ発見もあります。
先日、よく通る道で凝った装飾の扉(=写真)を見つけ、「こんなのがあったんだ」と驚いたことがありました。真新しい碑文には1903年にヨゼフ・シラーという建築家が設計し、2008年に改築されたとありました。
この建物には当時、編集者やジャーナリストのたむろするカフェがあったそうです。ということは近くに新聞社や出版社が集まっていたのでしょう。コメンスキー大学の近くですから、文化的なものが集まっていたと想像できます。
かつてこの界隈はどのような性格があったのだろうと考えながら散策すると、失われた時代の息吹がひょっこり顔を覗かせることがあります。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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