【スロヴァキア】「花の谷」という教会
2022年4月 4日
無信仰が人口の7割を越えるチェコと対照的に、スロヴァキアはカトリック信者がおよそ6割を占めています。
それにしてはプラハには歴史ある、規模の大きな教会建築がいくつもあるのに、ブラチスラヴァはどこも控えめです。目立つのは旧市街に尖塔をそびえ立たせる聖マルティン大聖堂と、外観が特徴的な青の教会くらいでしょうか。
旧市街から少し離れたところにある聖母被昇天教会は、ブルメンタールとドイツ語で呼び親しまれています。「花の谷」を意味し、かつては郊外に位置していたこのあたりは名前の通り、一面に花が咲き乱れる谷が広がっていたのでしょう。
谷には16世紀のころに集落ができ、8000人ほどの住人がいるまでになったマリア・テレジアの治世に、教会を建てることになりました。いまあるものは3番目にできたもので、1885年から88年に建てられました。教会前広場だったところに、いまはトラム(市電)が走っています。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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