【スロヴァキア】青の教会と青空と
2022年6月27日
ブラチスラヴァにある数ある建築のなかでも、青の教会はほかにまず例のない、とっても特異なものです。
私自身、はじめて見たとき、「なんだこれは?」と思いました。社会主義の時代だっただけに、その印象は余計に強かったです。いかんせん外壁も内装も青、しかも淡いパステルカラーの空色なのです。
建てられたのは20世紀初頭のことで、レヒネル・エデンというハンガリーの建築家が設計しました。レヒネルは分離派建築の中心人物として知られ、ブダペストの応用美術館や地質学研究所で知られます。いずれもやはり一度見たら忘れられない、強い印象を残す建物です。
青の教会は隣接する教会関係者の住居と、現在はギムナジウムとなっている学校の建物と一体になっているところがまたおもしろいのです。住居は同じ空色で、学校はなんとパステルカラーのクリームっぽい色なのです。
文字で書くとさながらテーマパークですが、テーマパークにありがちな白々しさを感じさせないのはさすがに本物だからでしょうか。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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