城を守るためにつくられた橋塔
2007年11月 5日
カレル橋の両端にはそれぞれ塔がたっています。
旧市街(スタレー・ムニェスト)側にあるゴシック様式の橋塔は1380年ころに完成しました。当時カレル橋はプラハのヴルタヴァ川にかかる唯一の橋で、ここをわたらないとプラハ城に行くことはできませんでした。
このため、防衛上の理由から、カレル4世は門を閉じ、橋の通行ができないようにする塔の建築を命じたのでした。いまは門そのものは残ってはいません。
塔の正面にはいくつかの彫刻で飾られています。上部にあるのは聖アルベルト像(左)と聖ジグムント像(右)、中央は聖カレル像(左)、聖ヴィート像(中)、聖ヴァーツラフ像(右)です。その下にはボヘミア王国の所領の紋章が並んでいます。
これらの像は最近、修復されましたが、像だけ真っ白になって、ちょっと不評です。こうした像が黒ずむのは酸性雨の影響が強いのだそうです。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。