チェコの国民画家ラダの展覧会
2008年1月14日
チェコの人びとがチェコの画家と聞かれ、真っ先に思い浮かべるのは、なんといってもヨゼフ・ラダ(1887-1957)でしょう。日本ではあまり知られてはいないかもしれませんが、国民的な画家としてチェコの人びとに愛されています。
そのラダの生後120周年にして没後50周年にあたる昨2007年11月から2008年2月3日までの予定で、プラハにある国民会館(オベツニー・ドゥーム)で、展覧会が開催されています。
珍しい初期のアート指向の作品から、代表作として知られるヤロスラフ・ハシェクの小説『兵士シュヴェイクの冒険』の挿絵、チェコの人びとの暮らしの一こまをコミカルに描いた作品などを展示。ラダの世界が満喫できます。
ラダの魅力はチェコ人らしさを軽やかに描いたところにあります。1942年の作品〈村のハンティング〉(=写真)では、ハンターがチェコの典型的な農村でハンティングをしている様子を誇張気味に描いています。牛やウサギが逃げまどう姿は漫画に近い表現を感じます。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
知らない人だね~
展示場のレイアウトが、見やすそうでありますね。
動物の動きがさ、鳥獣戯画!
いわなやまめ | 2008年1月16日 09:13
日本ではヨゼフ・チャペックの方がご存知の方が多いかもしれないですね。
この展覧会見たいです!
ヨゼフ・ラダの絵は、ちょうど1年前「ブラティスラヴァ世界絵本原画」展で初めて見ました。
素朴でゆったりとした温かさを感ずる絵で、とても気に入り、ポストカードをたくさん買いました。
「黒ビールの宣伝ポスター」と「わらべうた」のシリーズです。楽しそうな絵なのに、悲しいかな書いてある内容はちっともわかりません。(涙)
馳会子 | 2008年1月16日 11:19
コメントありがとうございます。
岩波文庫にハシェクの「兵士シュヴェイクの冒険」(栗栖継さん訳)があり、この挿絵が日本ではいちばん広まっているラダの作品だと思います(文庫は残念ながら現在絶版)。
作品点数はそれほど多くはないのですが、よくまとまっていると思います。
たしかに本当に鳥獣戯画の世界ですよね。ラダの絵はどれも素朴で、それでいて風刺も効いていて、チェコらしいです。
増田幸弘 | 2008年1月16日 14:24
コメントありがとうございます。
日本でも少しずつ紹介されているようですね。日本人にも違和感なく受け入れられる作風だと思います。
ラダは絵本をはじめ、多くの作品を残しています。多彩なので、なかなか全貌がつかめません。彼のつくった本などをプラハの古書店で見つけると、つい買ってしまいます。
増田幸弘 | 2008年1月16日 14:28
ラダの絵は、可愛くって風刺が効いてて本当にチェコらしいですよね。可愛いのにどこかブラックが潜んでいるのって私の持つチェコのイメージです。でも、純粋にラダの絵は動物たちの顔が好きで次にチェコに行けたら古本屋さんで本を探したいと思っているのです。
とも | 2008年1月16日 23:17
コメントありがとうございます。
ほんとうにラダの絵にかいま見えるチェコは、古き良き時代のチェコなのでしょうね。
わがやのカレンダーは今年はラダの描いた動物のイラスト付きで、これがなかなかカワイイのですよ。
増田幸弘 | 2008年1月16日 23:43