ズリーンの近代的な都市計画
2008年12月 1日
ズリーンは戦前、バチャという世界的な製靴メーカーの企業城下町でした。この街で目を引くのは、工場を中心とした職住近接の都市計画です。この都市計画の中心になった一人が、20世紀を代表する建築家として知られるル・コルビュジエです。
創業者のトマーシュ・バチャは、人がよく働くには家族と過ごすための住環境と、健康的な生活を送るための病院が不可欠であると考えました。そこで当時ヨーロッパでも最先端といわれる設備を誇る病院を1927年に開き、また社員向けの社宅を工場の近くにつくりました。
煉瓦造りのこの社宅は4部屋あるのが基本で、ほかに二世帯向けなど、大きな住宅もあります。一人部屋をもつことばかりか、専用のベッドをもつことさえ夢のまた夢だった当時、バチャの試みは画期的なことでした。
緑に囲まれた社宅の界隈を歩いていると、バチャが夢見た近代都市の残映を強く感じます。築80年以上の家がほとんどですが、いまでももちろん利用されています。
煉瓦造りのこの社宅は4部屋あるのが基本で、ほかに二世帯向けなど、大きな住宅もあります。一人部屋をもつことばかりか、専用のベッドをもつことさえ夢のまた夢だった当時、バチャの試みは画期的なことでした。
緑に囲まれた社宅の界隈を歩いていると、バチャが夢見た近代都市の残映を強く感じます。築80年以上の家がほとんどですが、いまでももちろん利用されています。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
ほんとこの人、すごい思想の持ち主だな。
2枚目の写真、見事な樹木のかこまれ、すんばらしい!
いわなやまめ | 2008年12月 2日 16:22
こんにちは。建てられたばかりのころの写真を見ると、垣根も塀もなく、ものすごくモダンな印象があります。工場の廃材を積極的にリサイクルして、こうした家の建築資材としたこともすばらしいことだと思います。
増田 幸弘 | 2008年12月 2日 16:45