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プラハからはじまる平和への道

2010年4月12日

czech_20100412_2.jpg アメリカのオバマ大統領がプラハ城前の広場で演説をしたのは、昨年の4月5日のことでした。それからちょうど1年が過ぎた4月8日、オバマ大統領がふたたびプラハを訪れ、ロシアのメドベージェフ大統領と会見。新たな核軍縮条約に署名しました。昨年と同じように、プラハの街が朝もやに包まれた日のことでした。

 
czech_20100412.jpg 署名をプラハでおこなうことに決めたのは、この街で核なき世界をめざすと約束したからだ、と地元紙は伝えています。東西の交通の要衝として中世から栄えてきたプラハは、アメリカとロシアが手を取り合う場にまさにふさわしい場だから選ばれたのではないか、と述べる政治アナリストもいます。

 冷戦に揺れる共産体制下、ワルシャワ条約機構軍の戦車に蹂躙されたプラハ市民は、もしかするといつかは核戦争に巻き込まれるかもしれないと恐れていました。プラハにあるいくつかの地下鉄駅はかなり深いところにありますが、これらの駅には核シェルターとしての役割があったといわれています。

 また、いざというときのためのガスマスクやガイガーカウンターなども用意されていました。こうした核への備えが現在プラハの国民博物館で開催中(7月6日まで)の共産主義時代を回顧する展覧会「BE FREE!」で展示されています。核への不安はこの展覧会の核心にあたる部分だと博物館の学芸員は説明します。

 かつて冷戦を演じた米ロの大統領がプラハの地で会い、平和な世界を構築するためのさらなる一歩を踏み出しました。これまでの歴史を踏まえると、これは実にすごいことではないのかと思っています。プラハからの平和のメッセージが世界中に伝わることを願わずにはいられません。

写真上=プラハ城前に到着したオバマ大統領を出迎えるチェコのクラウス大統領。再開を喜び合うかのように朗らかな表情を浮かべていました。 

写真下=プラハ城のスペインホールで開かれた調印式で握手をするオバマ大統領とメドベージェフ大統領。このスペインホールは17世紀、皇帝ルドルフ2世が収集した芸術作品を展示するためにつくられました。
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取材担当プロフィール

増田 幸弘

1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。

コメント(4)

世界平和の一歩が、プラハではじまるのはとても素晴らしいことですね。平和の象徴の街ですね。

かつ | 2010年4月13日 22:14

こんにちは。本当にそうなってほしいと思います。

増田 幸弘 | 2010年4月13日 22:22

そこがプラハだったってところが、感深いものがありますね。

あの「プラハの春」など、知ってる世代にはね。

いわなやまめ | 2010年4月15日 07:08

こんにちは。本当にそうですよね。

増田 幸弘 | 2010年4月15日 11:40

ぶらっ人編集部 @buratto_tabi