函館ルーム ライター・鈴木さんからの情報その2
2011年3月17日
人は揺れているからといって、酔っているとは限らない。ボクの場合だってもちろんそうだ。札幌から車で約1時間30分、苫小牧という街に取材に来ていたボクの体は、平日の昼間、しかもしらふであるのにかかわらず揺れていたのだ。この地震は長くて大きいということだけはすぐにわかった。しかし、こんなにすごいことになるとは誰もが思わなかったのではないだろうか。これ以上地震のことに触れると、存在そのものが世の中に申し訳ないボクが、もっと申し訳ないふざけたことを書いてしまうと大変なので、このへんでストップ。それにしてもここ数日、仕事の面では、ボクたち広告や出版の業界も中止や延期になるものが多く、混乱と不安が渦巻く状態になっている。でも暗い話を書くとどこまでも暗くなるので、それもストップ。うーん、ダメだ。明るい話題が思いつかない。そのくらい、人の心にも体にも超強力なダメージを与える、この東日本大震災は、ゴジラが突然、東京に現れる以上のショックを世界中に与えている。
さて、いきなり今回も当社の函館ルームから、ライター・鈴木精良さんおすすめの店その2をお届けする。ボクが高校時代に過ごした学校周辺が、ちょうど観光の名所でもあったので、文中に出てくる二十間坂というのは、とても懐かしく、学生時代がつい数年前だったように思い出されてくる。函館に観光で来るんだったら、やはりこの西部地区は必見なのだ。
二十間坂の"トルコ喫茶 PazarBazar"
二十間坂は、私が函館に来て一番に好きになった場所だ。ゆるやかで広い石畳の坂道に、左右連なる和洋の建物。そして、坂の上から見下ろす函館の街は空と海と山に溶けあうようで、人の営みはこんなにも自然の風景になじむものなんだ、と実感する。
そんな二十間坂沿いに、昨年オープンした小さなお店がある。"トルコ喫茶 PazarBazar(パザールバザール)"。日曜日の市場、という意味の店名には「いろんな国・言葉・人種の人たちが集まる市場のように、いろんな人がそれぞれの時間をここで過ごしてほしい」という願いが込められている。
本場仕込みのトルコ料理は、炭火でじっくり焼いた「シシケバブ」や白いんげん豆と野菜のトマトソース煮込み「クリファスリエ」など。定食にすると、玄米ご飯とみそ汁、季節の野菜サラダが付く。スパイス豊富で食欲をそそるトルコ料理に、玄米やオーガニック野菜を合わせると、函館らしい、やさしさのある味に。
そして、一風変わったこの店のスペシャルメニューが「お月さまカレー」(850円)。新月と満月の夜だけにメニューに登場するもので、チキンとひよこ豆、季節の野菜がごろごろ入った具だくさんのカレー。数種類のスパイスで煮込んだ、味わい深い一品だ。彩り豊かな季節の野菜サラダと、もっちりとした発酵玄米ごはんで食べる。満月のこの日も、カレー目当ての客が次々に来店し、にぎわいを見せていた。
シシケバブのほか、数種類のラップサンド(500円?)はテイクアウトもできるので、旅の途中の空腹を満たして、函館の街を堪能してほしい。
トルコ喫茶 PazarBazar
住所 函館市末広町17-19
電話 0138-83-8606
定休日 水曜、第3火曜
営業時間 11:30?21:00(LO20:30)、満月・新月の日は18:00?24:00(LO23:00)
http://pazarbazar.exblog.jp/
- 浅井 精一
いつのまにかすっかりオヤジになってしまったことに気がついた昭和34年生まれの男。函館出身で母校の函館西高の大先輩が北島三郎、一年後輩が辻人成(といっても面識は無い)。札幌の大学を卒業後、タウン誌編集や10年以上ホテルマンを経験するなどして、現在は編集プロダクション(株)カルチャーランド(札幌・社員24人)代表。手塚治虫マニアであること、昭和40年代のプロレスファンであることで、ごく一部に有名。
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