すし善本店
2012年5月29日
「ミシュランガイド北海道2012特別版」が発売されてすでに1カ月。書店では列をつくって買う姿が見られたが、アッという間に売り切れて在庫もなく、ボクも今だに本の現物は見ていない。そのミシュランで2つ星を獲得したのが、北海道というより日本のすし店を代表する「すし善本店」だ。先日、そのすし善の嶋宮勤社長に雑誌のインタビューでお会いした。
嶋宮社長に初めてお会いしたのは28年前、当時ボクは昭和57年にオープンしたホテルニューオータニ札幌の社員で企画と宣伝を担当していた。東京の役員からホテルニューオータニロサンゼルスのすし店を、すし善本店を参考にして内装をつくり変えたいので、すし善の社長にヒヤリングしてきて欲しいという指示があり、早速上司と一緒にすし善本店にうかがった。まだ20代だったボクは、当時の嶋宮社長から店のコンセプトから、カウンター、ひのき造りの特注冷蔵庫、食器のはてまで、取材させてもらい報告資料をつくった。ボクは10数年、このニューオータニ札幌で仕事をしたが、この時の報告資料ほど上司に絶賛されたものはなかったと思う。
そんな懐かしい思い出を嶋宮社長に話しながら、雑誌の取材に1時間も時間をあけていただいた。「現代の名工」にも選ばれた嶋宮社長には数多くの伝説がある。すし好きな人であれば食したこともあるであろう「トロタク」という巻きもの。つまり、マグロとタクアンをのりで巻いたものだ。今ではすっかりポピュラーになったこの巻きものは、もともと嶋宮社長がまかない用にマグロの切れはしを使って巻きものをつくったことが最初だったといわれている。もちろん、今ではすし善で修業して全国に巣立っていったすし職人たちが、その伝統の味を受け継いでいる。
ボクは札幌を訪れる人たちにすし善本店をおすすめすることが少なくない。それはバランスがとれているので、外れることなく、それなりにお客さまを最大公約数的に満足させられることができるからだと思う。最近は20代の女性同士で来る方も少なくないと嶋宮社長。一方、海外から自家用ジェットでわざわざすし善のすしを食べに来る客もいるという。平均予算はひとり15000円くらい。ただしお酒を調子にのって飲みすぎると高くなります、当然。ボクもいつも反省してます。
すし善本店
札幌市中央区北1条西27丁目
TEL011-612-0068
営業時間11時-15時・17時-22時
月曜定休
- 浅井 精一
いつのまにかすっかりオヤジになってしまったことに気がついた昭和34年生まれの男。函館出身で母校の函館西高の大先輩が北島三郎、一年後輩が辻人成(といっても面識は無い)。札幌の大学を卒業後、タウン誌編集や10年以上ホテルマンを経験するなどして、現在は編集プロダクション(株)カルチャーランド(札幌・社員24人)代表。手塚治虫マニアであること、昭和40年代のプロレスファンであることで、ごく一部に有名。
投稿についての注意事項
- このブログへのご質問については、内容によってお答えできない場合や、回答に時間がかかる場合があることをご了承ください。