冬にだけ味わえる「蒸し寿司」
2021年2月26日
日ごとに春の気配を感じるものの、まだ少し寒い京都からこんにちは。賀茂ナス子です。
寒い冬ならではのごちそうを楽しめるのも、もうあとわずか。
京都が発祥ともいわれる「蒸し寿司」もそのひとつです。
酢飯と具材をフタつきのお茶碗に盛り、蒸し器で温めたホカホカの蒸し寿司。
底冷えのする京都で、昔から愛されてきた伝統の味です。
四条通から新京極に入ってすぐの場所にある「寿し 乙羽」。
明治37年(1904)創業の老舗で、店頭に蒸し器が置かれ、湯気が立ちのぼっています。
京都の冬の風物詩としても知られ、こちらの「むし寿し」は3月ごろまでいただけるようです。
錦糸玉子の下に国産アナゴと椎茸が敷き詰められ、大正生まれのナス子の祖母も毎年楽しみにしていたとか。
京都には、蒸し寿司をいただけるお店がいくつかあります。
この日、ナス子は河原町商店街にある「ひさご寿し」へ。
「名代 ちらし寿し」は、昭和25年(1950)の創業当時より愛される「ひさご寿し」の看板メニュー。
2月末まで提供される「蒸し寿し」には、エビやエビそぼろ、アナゴ、ゆり根、ギンナン、椎茸、錦糸玉子がのっています。
お店によって具材や盛り付けが異なるので、食べ比べをしてみるのもよさそうですね。
オーダーしてから蒸しあげられるので、熱々のホカホカ。
お茶碗のふたを開ける瞬間から、五感がよろこんでいます。
身がぷりぷりのエビは丁寧に殻がむかれ、手を汚さずに食べられるのもありがたいですよね。
期間中、テイクアウトやお取り寄せでは、電子レンジや蒸し器で温められる「チンするむし寿し」も販売されています。
そして、ナス子のお気に入りは「冬の宵メニュー」。
「ミニ蒸し寿し」に突き出し、季節の魚介のお造り、生ビールがついたとてもお得なセットです。
「蒸し寿し」は小さめといっても食べごたえがあり、お造りのネタも盛りだくさん。
「ミニ蒸し寿し」は「ミニちらし寿し」、ビールは清酒に替えることもできますが、ナス子は「ミニ蒸し寿し」と生ビール派です。
突き出しとお造りで一杯やりながら「蒸し寿し」を待つのも至福のひととき。
17時からの「冬の宵メニュー」ですが、お昼どきにオーダーしても大丈夫でした。
河原町本店の食堂のみでの提供で、3月からは「春の宵メニュー」を楽しめますよ。
食事のときは緑茶を、食後はほうじ茶を入れてくださるのもうれしい心配りです。
この日、ナス子たちが案内されたのは2階席。
2階のテーブル席で会計を済ませたら、支払い済みの証であるキーホルダーを受け取って1階のレジへ。
このレトロでアナログなシステムもとてもツボです。
2階のテーブル席の間にはさりげなく暖簾がかけられ、気持ちよく食事を楽しめました。
上巳の節句(桃の節句)の食卓に「雛寿し」が並べば、いよいよ春の到来ですね。
■寿し 乙羽(すし おとわ)
京都市中京区新京極通四条上ル中之町565
阪急京都河原町駅から徒歩2分
■京・河原町 ひさご寿し(きょう かわらまち ひさごずし)
京都市中京区河原町通四条上ル塩屋町344
阪急京都河原町駅から徒歩3分
http://www.hisagozusi.co.jp/
- 賀茂 ナス子
京都生まれ、京都育ち。
中学は吹奏楽部、高校は茶道部に所属、そして大学時代はアメフト部のマネージャーを経験。
やりたいことは何でもやってみるのがモットーだ。
念願だった京都の編集プロダクションに入社し、京都のフリーマガジン[news]や京都に関する旅行誌などの編集・ライターを担当している。
友達に舞妓さんがいるのがちょっとした自慢。
愛犬は柴犬。二条城のまわりを散歩するのが日課だ。
好物は京都[第一旭]のラーメン。
おやつは[出町ふたば]の豆もち。
最近名古屋がわりと近いことを知った。
京都はうす味の料理が多いので、みそカツをはじめて食べたときごはんを3杯食べた経験を持つ。
投稿についての注意事項
- このブログへのご質問については、内容によってお答えできない場合や、回答に時間がかかる場合があることをご了承ください。