手水舎いろいろ
2021年8月20日
雨続きの京都からこんにちは。賀茂ナス子です。
この夏は今までにない規模の大雨に見舞われ、日本列島に大きな被害をもたらしています。
長い梅雨が明けたと思ったら連日の大雨。どうか皆様、安全にお過ごしください。
水害からは身を守らなければいけませんが、適度の雨と生活用水は地球や生きものに欠かせない大切なものです。
多くの神社やお寺には、参拝者が手や口を清めるための手水舎や手水鉢が設置されています。
参拝前に必ず立ち寄る場所なので、ご存じの方も多いですよね。
今年は、色とりどりの花やアクリル玉を浮かべた「花手水」や「花玉手水」なども話題に。
たとえば「くろ谷 金戒光明寺」では、9月末より涼やかな「花玉手水」がお目見えしています。
この「花玉手水」は、北野天満宮や柳谷観音(楊谷寺)、上賀茂神社(賀茂別雷神社)、祇王寺などでも見られます。
くろ谷 金戒光明寺の手水舎には、SNSなどで話題になった"アヒル"や"カメ"もいますよ。
「アフロ仏像」として知られる、くろ谷 金戒光明寺の「五劫思惟阿弥陀仏(ごこうしゆいあみだぶつ)」。
その特徴的な螺髪(らほつ)を取り入れたアヒルのやカメの姿も見られます。
また、その神社やお寺ならではの手水舎に出合えるとうれしくなります。
くろ谷 金戒光明寺から南東に進んだ岡崎天王町にある「東天王 岡﨑神社」。
「うさぎ神社」で知られ、境内には「狛(こま)うさぎ」を筆頭にウサギの像がたくさん鎮座しています。
手水舎にいるのは「厄除子授兎」で、平成10年(1998)に55年ぶりに復元されたもの。
天を向いた「厄除子授兎」は月をあおぎ、そのパワーを体に満たしているのだとか。
ウサギの像にお水をかけ、お腹をさすって参拝すると子宝や安産などにご利益があるとされています。
「厄除子授兎」を囲むたくさんの絵馬からも、信仰の深さがうかがえますね。
※現在、柄杓(ひしゃく)は撤去されています。
続いて、東天王 岡﨑神社から西へ烏丸通まで進み、下立売通の「菅原院天満宮」へ。
学問の神様・菅原道真公が誕生した地といわれる「烏丸(からすま)の天神さん」です。
境内には天神さんのお使いである牛の像が鎮座し、手水舎にも牛の像が鎮座しています。
また、「菅原道真公(菅公)産湯の井戸」も残されています。
御祭神の道真公の誕生の際に、この井戸の水が使われたのだとか。
絵馬にも道真公のイラストが描かれ、こじんまりとした境内でありながら天神さんの大きなパワーを感じます。
さらに、菅原院天満宮から、烏丸通を北に3分ほど歩いた下長者通の「護王神社」へ。
「イノシシ神社」とよばれ、手水舎では躍動感のあるイノシシが出迎えてくれます。
こちらのイノシシの鼻をなでると幸せが舞い込むとのうわさも。
イノシシの足もとに素焼きのおみくじのイノシシが並べられ、まるで親子のようです。
色とりどりのおみくじで、足もとに花が咲いたようにも見えますね。
また、「霊猪(れいちょ)の手水舎」の番人は、愛らしいウリ坊。
人が近づくとセンサーが反応し、ウリ坊の口から水が流れ出します。
風鈴もイノシシです!
境内の至るところでイノシシが見られ、芸術家によるイノシシのアート作品も奉納されています。
最後は護王神社から今出川通まで北上し、西へ進んで智恵光院通へ。
「首途(かどで)八幡宮」の手水舎にいるのは、八幡神のお使いである鳩。
本物の鳩のような風貌で、こちらも近づくと鳩の口から水が出てくる仕掛けになっています。
本殿や門などにも鳩のモチーフがあしらわれ、鳩の姿を探すのも楽しいですよ。
源義経が牛若丸時代に旅の安全を願った場所といわれ、境内にはその石碑も建っています。
そのことから、旅行の安全や門出にご利益があるとされています。
京都もこの8月20日(金)から緊急事態宣言下になりました。
涼しくなるころには旅行やお出かけができるよう願うばかりです。
■くろ谷 金戒光明寺(くろだに こんかいこうみょうじ)
京都市左京区黒谷町121
市バス停岡崎道下車、徒歩10分
■東天王 岡﨑神社(ひがしてんのう おかざきじんじゃ)
京都市左京区岡崎東天王町51
市バス停岡崎神社前下車、すぐ
■菅原院天満宮(すがわらいんてんまんぐう)
京都市上京区烏丸通下立売下ル堀松町408
市バス停烏丸下立売下車、すぐ
■護王神社(ごおうじんじゃ)
京都市上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385(京都御所・蛤御門前)
市バス停烏丸下長者町下車、すぐ
■首途八幡宮(かどではちまんぐう)
京都市上京区智恵光院通今出川上ル桜井町102-1
市バス停今出川大宮下車、西へ徒歩5分
※緊急事態宣言下のため、いずれも参拝時間などが変更になる可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、無理なお出かけは避けてくださいますようお願いいたします。
- 賀茂 ナス子
京都生まれ、京都育ち。
中学は吹奏楽部、高校は茶道部に所属、そして大学時代はアメフト部のマネージャーを経験。
やりたいことは何でもやってみるのがモットーだ。
念願だった京都の編集プロダクションに入社し、京都のフリーマガジン[news]や京都に関する旅行誌などの編集・ライターを担当している。
友達に舞妓さんがいるのがちょっとした自慢。
愛犬は柴犬。二条城のまわりを散歩するのが日課だ。
好物は京都[第一旭]のラーメン。
おやつは[出町ふたば]の豆もち。
最近名古屋がわりと近いことを知った。
京都はうす味の料理が多いので、みそカツをはじめて食べたときごはんを3杯食べた経験を持つ。
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