門司港を、鉄道で遊ぶ トロッコ列車「潮風号」
2009年8月 5日
8月の「ぶらっ人 from 福岡」は、「門司港を鉄道で遊ぶ」を2回に分けてご紹介します。今回は、春から運行を始め、大人気のトロッコ列車「潮風号」に乗車します。 門司港レトロ観光列車「潮風号」は、JR門司港駅横の「九州鉄道記念館駅」と「関門海峡めかり駅」2.1kmを結んでいます。もともと、この路線は石炭やセメントを田ノ浦港から運ぶための国鉄・JR外浜線(貨物専用線)でした。貨物輸送休止後、北九州市が保有し、トロッコ列車は平成筑豊鉄道に運行を委託しています。8月31日までは毎日、9月から土日に26往復し、両駅間を約30分かけてゆっくり走ります。料金は、大人(片道)300円、指定席は100円。往復も利用できる2回きっぷ500円。
前後に付くDB10型ディーゼル機関車は、南阿蘇鉄道のトロッコ「ゆうずけ号」を引っ張っていたものです。
「九州鉄道記念館駅」を発車。駅員さんにはボランティアもたくさんいて、皆さんフレンドリー。
門司港レトロを回る人力車のお客さんも、トロッコ列車を記念撮影。
レトロ地区の古い建物や高層住宅ハイマート(最上階に展望台)が見えてきました。間もなく「出光美術館駅」に到着。ちなみに、出光石油は、門司港にガソリンスタンド第1号店が出来ています。
関門海峡沿いを走り、対岸は本州・下関の街並みです。列車名のとおり、潮風がさわやかです。
客車はトラ70000型で、島原鉄道のトロッコ列車として活躍していました。貨車を改造していますので、ガタンガタンと独特な乗り心地ですが、ゆっくりしたスピードなので、これもいいなぁと思いますね。
船溜まり越しに、関門橋が望むと「ノーフォーク広場駅」に停車。
途中、めかりトンネルに入ります。トンネル内では天井がライトアップ、関門海峡に生息する魚が描かれています。トンネルの一部は花崗岩で手掘りされているのが確認できます。
終点の「関門海峡めかり駅」到着前、関門トンネルで活躍したEF30型電気機関車と旧型客車が見えてきます。
明治時代の栄華を伝えるレトロ地区、関門海峡を見ながら、小さな鉄橋やトンネルを抜ける、鉄道旅行が凝縮された小さな列車旅です。
「関門海峡めかり駅」から、田ノ浦方面には列車が走らない線路が取り残されていました。
めかり絶景バスは眺望の素晴らしい、めかり地区を回るバスで、観光ガイド付き。トロッコ+絶景バスきっぷ600円。
めかり山上から、眼下に1日700隻の船が行き交う関門海峡、下関や小倉、八幡の街も望めます。
門司港の栄町商店街にある、1948(昭和23)年創業の甘味処「梅月」(ばいげつ)。暑いこの時期のおすすめは、開店当時から人気のソフトクリームや宇治金時。お好み焼、モダン焼きなど食事メニューも豊富。TEL093-321-1344
次回、九州鉄道記念館をご紹介します。
- 東 淳二郎
1957年7月9日生まれ 北九州市門司区出身 56歳
印刷会社のサラリーマン生活を経て、1990年からフリーライターに。
雑誌の取材で、九州中の観光地を訪れ、グルメや温泉を堪能している。
また、もの心ついた時から鉄道ファンで、"乗り鉄"。国内はもちろん、海外でも時間をみつけては鉄道旅を楽しんでいる。