博多祇園山笠
2011年7月13日
北部九州地方も梅雨明けし、いよいよ夏真っ盛り。今回の「ぶらっ人 from 福岡」は、博多の夏祭り「博多祇園山笠」をご紹介します。
山笠の期間は、7月1日から15日まで。鎌倉時代に疫病除去の神事として始まったといわれており、今年で770年の歴史。山笠を担いで動かすことを"山を舁く"、担ぐ人を"舁き手"といいます。舁き山には7つの流れがあります。
「博多祇園山笠」は、博多の総鎮守・櫛田神社(上)の奉納神事。平安時代の創建で、本殿(下)には櫛田大神、天照大神、素盞嗚大神が祀られています。
最終日の「追い山」は、1トンの舁き山を担ぎ、押して走る、スピード感にあふれたタイムレース。舁き山は、清道旗を周ってコースに戻ります。
博多人形師が手掛けた飾り山は、"表"と"見送り"があり、その時代や世相を表しています。櫛田神社には、流れの番外として飾り山が置かれています。
表=智将疾風関ヶ原(上) 見送り=神話天之岩戸譚(下)
櫛田神社のすぐ近くにある川端通商店街は、約400mのアーケードに約100店舗が並びます(上)。
山笠の用品店もあり、お土産にもお勧め(下)。
八番山笠・上川端通は、唯一の"走る飾り山笠"として知られています。
表=京一条戻橋(上) 見送り=秀吉賤ケ岳合戦(下)
大正初期に創業、一時休業していましたが、復活を果たしました。通常は金土日のみ営業、山笠期間中は毎日開いています(上)。
日本一甘いといわれるぜんざい。その場で焼いてくれた餅が、ふたつ入っています(中)。
店内には、一年中、飾り山が公開されています(下)。
川端通商店街には、もうひとつの飾り山があります。十六番山笠・川端通中央街 表=戦国の女江(上) 見送り=ドラえもん(下)
川端通商店街を抜けると、博多リバレインに飾り山を公開。近くには、博多座があります。
十番山笠・博多リバレイン 表=博多乃豪商(上) 見送り=天璋院篤姫(下)
九州新幹線全線開業でリニューアルされたJR博多駅には、十四番山笠・博多駅商店連合会が。表=大坂夏の陣(上) 見送り=ワンピース(下)
福岡市中心部は、那珂川の東が"博多"部、西が"福岡"部に分かれています。福岡部にも飾り山があるほか、7月13日には「集団山見せ」で、舁き山が入場して来ます。
十一番山笠・天神一丁目は、大丸百貨店パサージュ広場にあります。表=李長元寇之武勲(上) 見送り=尊氏多々良浜誉(下)
十七番山笠・ソラリアは、西鉄天神大牟田線・天神駅、天神バスセンターやショッピングゾーンがある、ソラリアビル内で公開。歴史を感じる飾り山と、近未来的なエレベーターの組み合わせが、異彩を放ちます。表=怪力相撲日田殿(上) 見送り=勇者ライオンズ(下)
福岡の老舗商店街・新天町では、九番山笠・新天町を公開。表=疾風迅雷六文銭(上) 見送り=アニメ美食屋トリコ(中)
少年少女が参加できる子供山笠も展示していました(下)。
飾り山は、二番・千代、六番・東、七番・中洲流れに加え、十二番・渡辺通一丁目、十五番・キャナルシティ博多、十三番・福岡ドームでも公開されています。
昔は、高さ10mを越える舁き山が駆け抜けていましたが、電線を切断することが多発したことで低くし、現在の形になったそうです。写真は、土居流れの舁き山。
山笠のフィナーレが「追い山」。7月15日の午前4時59分、大太鼓の合図で一番山が櫛田神社の清道へ突っ込み、1分間の「博多祝い唄」を歌ったあと(上)、午前5時に境内を飛び出して行きます(下)。その後、二番山から七番山まで、一定の間隔でスタートして行きます。
*写真=まるごと福岡・博多
櫛田神社近くには、博多の暮らしや文化に触れることのできる施設があります。
「博多町家 ふるさと館」(上)明治中期の博多織織元が建てた町家を移築復元。お土産処もあります。
「はかた伝統工芸館」の1階は企画展示室。訪れた時は、山笠の博多人形製作工程を展示していました(下)。2階は、博多人形、博多織の常設展示室です。
博多といえばラーメン・・・と思われるでしょうが、私も含め、うどんを大好きな人が多く、コシガない、柔らかい麵を好みます。
櫛田神社の目の前にある「博多 あかちょこべ」(上)は、うどん発祥の地といわれる博多、古来の麵をイメージし、小麦胚芽粒を入れた風味豊かな麵が特徴です。
博多独特のゴボウ天うどんもお勧めですが、私が大好きなのは「キーマカレーうどん」(中)。
まず、そのまま頂き、続いて、桜エビを練り込んだ揚げ玉を入れ、出汁を加えて食します(下)。やみつきになる美味しさです。
「博多 あかちょこべ」、夜は居酒屋になります。博多を訪れた際は、ぜひお立ち寄り下さい。福岡市博多区冷泉7-10 TEL092-271-0102 11:30?15:00 18:00?24:00 日曜日定休
取材日:2011年7月11日(月)
- 東 淳二郎
1957年7月9日生まれ 北九州市門司区出身 56歳
印刷会社のサラリーマン生活を経て、1990年からフリーライターに。
雑誌の取材で、九州中の観光地を訪れ、グルメや温泉を堪能している。
また、もの心ついた時から鉄道ファンで、"乗り鉄"。国内はもちろん、海外でも時間をみつけては鉄道旅を楽しんでいる。