九州の列車たち 観光列車
2012年1月22日
1月2回目の「ぶらっ人 from 福岡」は、前回に続き"九州の列車たち"観光列車編。何度乗っても楽しい、個性あふれる列車です。
■SL人吉
2009年から、熊本―人吉で運転を始めたSL、大正生まれの8620型蒸気機関車が牽引する列車(上)。熊本から八代まで鹿児島本線を南下し、八代から人吉まで肥薩線に入り、球磨川沿いの通称・川線を進みます。人吉は相良藩の城下町で、温泉地として知られています。
3両編成客車(中)の端は、展望ラウンジ(下)になっています。小さな椅子は子供用。写真=熊本駅
出発時は、煙や蒸気をいっぱい吐き出し、迫力満点です。肥薩線・渡駅
1往復 金・土・休日 月(一部除く)および春休み・ゴールデンウイーク・夏休みに運転
■九州横断特急
別府から豊肥本線を通り、熊本からは「SL人吉」と同じルートで人吉とを結びます。車窓には、阿蘇や球磨川など、雄大な景色が広がります。車両は185系ディーゼルカー、2両編成。
4往復 毎日運転 写真=肥薩線・海路―吉尾
人吉駅には、今では珍しい駅弁の立ち売り販売があります。名物駅弁は、栗飯(上)、鮎ずし(下)。
■いさぶろう・しんぺい
人吉から吉松までは通称・山線を走ります。「いさぶろう」は下り列車名、「しんぺい」は上り列車名で、肥薩線開業に尽力した逓信大臣も山縣伊三郎、鉄道院総裁の後藤新平から名付けられました。肥薩線沿線には、明治時代の鉄道遺産が数多く残っています。写真=大畑駅
木を使った、レトロ調の客室内(上)。
カウンター席は、景色を楽しむために窓が大きく取られています(中)。
矢岳―吉松では、日本三大車窓が楽しめます(下)。眼下に京町盆地、遠く霧島連山ほか桜島も望めます。
2往復 毎日運転
■はやとの風
「いさぶろう・しんぺい」と吉松駅で連絡し、鹿児島中央までを結んでいます(上)。
レトロ感覚ながらモダンな室内(下)。
2往復 毎日運転 写真=肥薩線・吉松―栗野
肥薩線には、嘉例川駅(上)や大隅横川駅など、100年以上の歴史を持つ駅舎が残存します。
九州の駅弁ランキング3年連続グランプリに輝いた「百年の物語かれいがわ」(下)。嘉例川駅で土・休日に販売。事前予約すれば「はやとの風」でも手に入れることができます。
■ゆふいんの森
1989年に登場したJR九州を代表する観光列車。博多と有名な温泉観光地・由布院、大分を結んでいます。車両はキハ71系(上)とキハ72系(下)。どちらも濃いグリーンのボディが印象的です。
博多―由布院・博多―大分いずれも1往復 毎日運転
写真=キハ71系 久大本線・由布院―南由布 キハ72系 久大本線・日田駅
■A列車で行こう
昨年10月8日にデビューした、JR九州で一番新しい観光列車(上)。熊本―三角を走っていて、三角港―本渡港を結ぶ「天草宝島ライン」に接続しています。
車内にはバーカウンターがあり、大人が楽しめる列車といえます(下)。
2往復 土・休日および春休み・ゴールデンウイーク・夏休みに運転
写真=三角線・赤瀬―網田 撮影=寺本竜也
■海幸山幸
宮崎と日南線の南郷を結ぶ、木のおもちゃのようなリゾート列車。日本神話の海幸彦・山幸彦が名前の由来(上)。
車内は、地元の飫肥杉がふんだんに使われています(下)。
1往復 土・休日および春休み・ゴールデンウイーク・夏休みに運転
写真=小倉工場
その他、九州には「指宿のたまて箱」鹿児島中央―指宿、「あそぼーい」熊本―宮地が観光列車として運行しています。
- 東 淳二郎
1957年7月9日生まれ 北九州市門司区出身 56歳
印刷会社のサラリーマン生活を経て、1990年からフリーライターに。
雑誌の取材で、九州中の観光地を訪れ、グルメや温泉を堪能している。
また、もの心ついた時から鉄道ファンで、"乗り鉄"。国内はもちろん、海外でも時間をみつけては鉄道旅を楽しんでいる。