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魔除け

2015年7月 3日

 7月18日から名古屋市博物館で「魔女の秘密展」が開催される。貴重な資料や美術品がたくさん出展されるが、今月はそれに因んだ話をしようと思う。

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☆名古屋会場のご案内

 

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☆名古屋会場のご案内

 

 飢饉、疾病、戦争、魔女迫害の恐怖にさらされていた近世のドイツにはさまざまな魔除けがあった。中でもお守りは大活躍だった。自ら身を守るすべのない人々はせいぜいお守りを身につけて、神に祈るしかなかった。お守りに望むのは何より魔除けである。魔を避けることは幸運にもつながる。

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©Austrian Museum of Folk Life and Folk Art,Vienna/Foto:Birgit&Peter Kainz/faksimile digital

☆古代ギリシャ時代から魔的な力を持つと信じられていた五芒星を揺りかごに描き、新生児を襲う魔を避ける(魔女の秘密展より)

 

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 ©Austrian Museum of Folk Life and Folk Art,Vienna

☆イエス・キリストの名前の頭文字INRI(Jesus Nazarenus Rex Judaeorum)をナイフに彫って、天井や扉に突き刺し、悪霊や魔女の侵入を防ぐ(魔女の秘密展より)

 

 健康は人々の切なる願いである。疾病にかからないよう、また病気の回復や安産を願って、神に祈り、お守りを身に付け、ときにはお札を飲んだりもした。

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☆聖母マリアの庇護を象徴する「マリアのマント」(ボーデ博物館。ベルリン)

 

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©Ried im Innkreis,Museum Innviertler Volkskundehaus.Foto:Clemens Mader

☆聖女ウルズラの顔を銅版にしたこの小さな絵は「飲むお札」(魔女の秘密展より)

 

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☆ウルズラ会修道院の祭壇。中央の小さな額がウルズラの肖像画(ミュンヘン近郊ランツフート)

 

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☆ペストの守護聖人ロクスの像はペストによる太ももの発疹を見せているので、すぐにわかる(ライン河畔ロクスベルク。ラインラント・プファルツ州)

 

 建物の角や横木に飾られている顔や舌をだしている顔は魔除けとして世界に広く存在する。製粉期にこのような顔を取り付けるのも、穀物を守りたい農民の強い願いだろう。

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☆舌を出した魔除け。ホテル・レストラン「カイザーヴォルト」の壁面(ニーダ-ザクセン州ゴスラー)

 

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☆これも魔除け。ハノーファー元裁判所外壁(ニーダ―ザクセン州)

 

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☆製粉期に取り付けられている「麸吐き」(カールスルーエ州立博物館。バーデン・ヴュルテンブルク州)

 

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☆子ども向けの可愛い(?)「麸吐き」。絵本「マックスとモーリッツ」の作者W.ブッシュの記念館で(ニーダ-ザクセン州エーバーゲッツェン)

次回をお楽しみに。

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取材担当プロフィール

西村佑子(にしむら・ゆうこ)

うお座。早稲田大学大学院修士課程修了。
青山学院大学や成蹊大学の講師を経て、現在はモアビートプロモーションの「ドイツセミナー」講師。
これまでに「グリム童話の魔女たち」展(栃木県いしばし町グリムの館)の企画・監修やドイツ魔女街道ツアーの同行講師、
薬草専門誌に連載記事を掲載するなど、ドイツの魔女と薬草にかかわってきた。
主な著書に『グリム童話の魔女たち』(洋泉社)『ドイツ魔女街道 を旅してみませんか?』(トラベルジャーナル)、
『魔女の薬草箱』『不思議な薬草箱』(いずれも山と溪谷社)、『ドイツメルヘン街道夢街道』(郁文堂)など。

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ぶらっ人編集部 @buratto_tabi