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「昇龍道」春夏秋冬さすらい旅

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ユネスコ無形文化遺産、山車祭り巡り(愛知県犬山市、半田市)

2017年5月18日

昨年12月に国内33件の「山・鉾・屋台行事」が、
ユネスコ無形文化遺産に登録された。

「山・鉾・屋台行事」は、地域社会の安泰や災厄防除を願い、
地域の人々が一体となり執り行う「山・鉾・屋台」の巡行を中心とした祭礼行事のことであり、
国指定重要無形民俗文化財である高山祭の屋台行事(岐阜県)や亀崎潮干祭(愛知県)など、
昇龍道エリアには数多くの祭礼行事が登録されており、
まさに山・鉾・屋台行事が地域文化として残され継承されてきた
国内を代表する地域といえる。

この4月から5月にかけて、
これらの春の祭礼行事が各地で毎週のように行われ、
それらのうち、愛知県内の犬山祭(犬山市)と亀崎潮干祭(半田市)を訪れた。

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まずは春の山車祭の初陣を飾る犬山祭へ。

名鉄犬山駅から犬山城にかけての城下町の町並みにはぎっしりと人がつめかけ、
朝から町は活気づいている。

犬山祭の時期は桜も咲き始めており、
桜の美しさと華麗な車山(犬山では車山(やま)と呼ぶ)の姿が
日本的な祭風景を醸し出す。

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犬山祭の車山は13輌。
各地区から集まった車山が奉納先の針綱神社前に揃う姿は圧巻だ。
それぞれの車山に特徴があり、ひとつ一つをじっくり見ていても飽きることはない。

笛太鼓の音色が流れ、祭衆たちのかけ声、謡いとともに再び各地区へ戻っていく。
特に、重さ5トン以上もある車山を方向転換する「どんでん」の迫力は
犬山祭のハイライトのひとつでもある。

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犬山の車山の魅力は、全ての車山に備えられたからくり人形にもある。
それぞれのからくりの仕掛けは今の東海地方の製造業技術の原点とも言われており、
その人形のからくりの仕掛け、演出は人々の目を驚かせる。

ユニークでもあり、華麗でもあり、
人形でありながら、表情や感情があるようにも見える。

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夜になると再び13輌の車山は神社前に揃う。
昼の華麗な姿と打って変わって、幽遠な車山の姿に変わっていく。

それぞれの車山には、日が暮れる頃から、
365個の提灯にひとつ一つ灯が灯され、徐々に幽遠さは増していく。

そして、全ての車山に灯が灯された時、
犬山祭はクライマックスを迎えていく。

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続いて5月のゴールデンウィークに訪れた亀崎潮干祭。

それぞれの地域の山車祭(半田では山車(だし)と呼ぶ)には特徴があり、
亀崎潮干祭は、読んで字のごとく、潮が干いた海へと山車が巡行するのが
最大のハイライトシーンである。

半田市内では亀崎潮干祭以外にも各地で山車祭が開催されているが、
ユネスコ無形文化遺産に登録されたのは亀崎潮干祭だけ。

他の半田の山車祭も魅力はあるが、
世界に認められたその特異な存在価値は、今後も受け継がれていく。

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かつては行商の町として栄えた亀崎の港町を山車が浜辺まで巡行し、
1輌ずつ海へと曳き下ろされていく。

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数十名の勇壮な男衆の力をもっても、車輪が砂浜に足を取られ、
一気に海までたどり着くことはできない。

そして、一旦止まった山車は、
再び男衆たちの力でゆっくりゆっくりと海へ入っていく。

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合計5輌の山車が海辺に揃う。
5輌揃ったその姿は、普段の海の風景とはうって変わった華麗な海の風景を作り出す。
そして再び、山車は浜辺まで曳かれ、神社への奉納に向かう。

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半田市では、5年に1度、市内各地の山車31輌が一堂に会する
「はんだ山車まつり」が行われている。
今年はその5年に1度に当たる年であり、10月7日、8日に開催される。

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取材担当プロフィール

田中 三文 (たなか みつふみ)

愛知県豊橋市生まれ。
出版社勤務を経て、現在は三菱UFJリサーチ&コンサルティング 政策研究事業本部 上席主任研究員。
愛知大学地域政策学部非常勤講師(観光まちづくり論)
地域を盛り上げる観光事業や集客計画など、手がけてきたプロジェクトは数知れず。
2012年より2014年まで昇龍道プロジェクト推進協議会・台湾香港部会長を務め、
同エリアのインバウンド促進計画や外国人受入環境整備などにも力を注いでいる。
旅と写真とロックを愛する仕事人で、公私ともに、さすらいの旅人として各地を巡っている。

「昇龍道(しょうりゅうどう)」とは?

日本の真ん中に位置する中部北陸地域の形は、能登半島が龍の頭の形に、三重県が龍の尾に似ており、龍の体が隈無く中部北陸9県を昇っていく様子を思い起こされることから同地域の観光エリアを「昇龍道」と呼んでいます。
この地域には日本の魅力が凝縮されており、中部北陸9県が官民一体となって海外からの観光客誘致を促進する「昇龍道プロジェクト」も好調です。このブログでは、「昇龍道」の四季折々の姿を写真と文章で紹介していきます。

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ぶらっ人編集部 @buratto_tabi