北陸アート・建築巡りの旅(富山県富山市、石川県金沢市)
2017年9月 5日
金沢21世紀美術館(石川県金沢市)が2004年に開業して早13年を経過しようとしている。
2016年度には過去最高の年間255万人を集客するなど、全国でもトップクラスの入館者数を維持し続け、
もはや金沢観光の顔として金沢観光をけん引していると言っても過言ではない。
「21美」の効果により、北陸はアート最先端の地域というイメージまで浸透しており、
その影響力たるや絶大である。
その北陸に、最近、新しいアートが続々と誕生している。
ここでいうアートは、美術館だけではなく建築を含むアートとして捉えている。
今年の8月26日、富山駅から徒歩15分程度の富岩運河環水公園に富山県美術館(富山県富山市)が全面開館した。
昨年12月に閉館した富山県立近代美術館が、名前を変え移転リニューアルしたもので
「アートとデザインをつなぐ、世界で初めての美術館」としている。
運河の公園という水辺空間に位置することと、レストランやカフェ、ショップなども複合されており、
気軽に公園を散歩しがてらアート鑑賞もでき、屋上から見渡せる立山連峰の景色も美しく、
富山の新しいビュースポットの誕生とも言える。
施設の設計は、建築家の内藤廣氏で、その環境にマッチした空間が構成されている。
また、富山県美術館には屋上庭園がある。しかも、子どもの遊び場としての庭園である。
4月29日からプレオープンとして開館しており、早くも子どもたちの人気を呼んでいる。
「オノマトペの屋上」と称する施設は、オノマトペ(擬音語・擬態語)から考えられた遊具が展開されており、
創造力を持ちながら遊べる空間が展開されているのも面白い。
その富岩運河環水公園には、“世界で一番美しい”と言われたことのあるスターバックスもある。
合わせて訪れるのもひとつのアート巡りの旅にもなる。
同じく富山市内には世界的建築家・隈研吾氏の設計が話題を呼んでいる複合施設「TOYAMAキラリ」もある。
施設は、富山市ガラス美術館と富山市立図書館などから構成され、まずはその施設デザインに圧倒される。
最近、各地で誕生する図書館は、こうした設計にも特徴が見られ、その代表格として全国からも注目されている。
金沢市にも2011年開館の「金沢海みらい図書館」がある。
金沢駅でレンタサイクルを借りて走ること約20分、見えてきたその外観に圧倒された。
シンプルなドット模様の外観が、館内に入っても、そのイメージそのままに心地よい空間構成となっている。
フォトジェニック映えする施設であることからもSNSでの口コミ効果で訪れる人も多いだろう。
そんな一度見てみたい、行きたくなる図書館である。
- 田中 三文 (たなか みつふみ)
愛知県豊橋市生まれ。
出版社勤務を経て、現在は三菱UFJリサーチ&コンサルティング 政策研究事業本部 上席主任研究員。
愛知大学地域政策学部非常勤講師(観光まちづくり論)
地域を盛り上げる観光事業や集客計画など、手がけてきたプロジェクトは数知れず。
2012年より2014年まで昇龍道プロジェクト推進協議会・台湾香港部会長を務め、
同エリアのインバウンド促進計画や外国人受入環境整備などにも力を注いでいる。
旅と写真とロックを愛する仕事人で、公私ともに、さすらいの旅人として各地を巡っている。
日本の真ん中に位置する中部北陸地域の形は、能登半島が龍の頭の形に、三重県が龍の尾に似ており、龍の体が隈無く中部北陸9県を昇っていく様子を思い起こされることから同地域の観光エリアを「昇龍道」と呼んでいます。
この地域には日本の魅力が凝縮されており、中部北陸9県が官民一体となって海外からの観光客誘致を促進する「昇龍道プロジェクト」も好調です。このブログでは、「昇龍道」の四季折々の姿を写真と文章で紹介していきます。
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