行く夏、奥三河の涼感旅①(愛知県豊根村、設楽町)
2021年8月26日
今年の夏はなんとなく短かったように感じた。オリンピックのテレビ観戦や、お盆時期の長雨などがあったから、そう感じているだけかもしれない。それでも、うだるような猛暑の日には涼を求めて奥三河へ出かけた。今回と次回、そんな奥三河の涼感旅をお届けする。
奥三河の夏はその空気感が都市部とは明らかに違う。暑くても、爽快。標高が上がる分、日差しの強さはあるが、山から吹く風は爽やかだ。
愛知県最高峰、愛知のてっぺん・茶臼山高原へ。朝一番でリフトに乗り山頂まで登る。気温は25度、日が陰るとやや肌寒さを感じるぐらいの涼感。山頂には新たに展望テラス「茶臼山高原スカイガーデン」が完成し、リラックスしながら南アルプスなど四方の山を眺めることができる。
リフト下の斜面には、サンパチェンスの花園が広がり、山並みの景色とともに心癒される。芝桜で知られる茶臼山だが、夏の花の風景も美しい。
リフト乗り場にもなっているエリアにはスワンボートやカヌー体験ができる池があり、力強い夏空が映えていた。
茶臼山高原から下り、こちらも今年5月に開業したばかりの「道の駅したら」へ。郷土館、レストラン、物販施設、観光案内所など"郷土愛がつまった宝箱"というキャッチフレーズが相応しい。山並みをモチーフとした外観の奥三河郷土館。森林地域らしいひのきを活かしたデザインが目を引く。
屋外には、廃線となった旧田口線の車両展示。ご年配には懐かしく、若い人、子どもたちには地域文化を伝える。
さらに奥へ車を走らせ、設楽町名倉地区へ。ここへ来たのは桜並木を見に来て以来。夏らしい青空、青々とした田んぼと山並みのコントラストが美しい。
駒ケ原高原には、新たに高原カフェ「遊べる花屋」が誕生(2021年9月から2022年春まで休館)。グランドオープンは来春のようだが、高原で一服するにはとても気持ちいい空間。園芸農家さんが経営するだけあり、店内には植物が並べられたボタニカルカフェ。ガーデンなどが整備される来春がさらに楽しみだ。
- 田中 三文 (たなか みつふみ)
愛知県豊橋市生まれ。
出版社勤務を経て、現在は三菱UFJリサーチ&コンサルティング 政策研究事業本部 上席主任研究員。
愛知大学地域政策学部非常勤講師(観光まちづくり論)
地域を盛り上げる観光事業や集客計画など、手がけてきたプロジェクトは数知れず。
2012年より2014年まで昇龍道プロジェクト推進協議会・台湾香港部会長を務め、
同エリアのインバウンド促進計画や外国人受入環境整備などにも力を注いでいる。
旅と写真とロックを愛する仕事人で、公私ともに、さすらいの旅人として各地を巡っている。
日本の真ん中に位置する中部北陸地域の形は、能登半島が龍の頭の形に、三重県が龍の尾に似ており、龍の体が隈無く中部北陸9県を昇っていく様子を思い起こされることから同地域の観光エリアを「昇龍道」と呼んでいます。
この地域には日本の魅力が凝縮されており、中部北陸9県が官民一体となって海外からの観光客誘致を促進する「昇龍道プロジェクト」も好調です。このブログでは、「昇龍道」の四季折々の姿を写真と文章で紹介していきます。
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