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東建ホームメイトカップ 2021

東建ホームメイトカップ 2021

 新型コロナの再拡大が懸念される中で国内男子ツアーが開幕した。開幕戦「東建ホームメイトカップ」。
昨年は緊急事態宣言で中止になったが今年は無観客で開催された。大会期間中に出場選手感染のため第3ラウンドが中止になるなど波乱含みのシーズン開幕となったが、金谷拓実(22)とアマの中島啓太(20)が優勝争いを演じ、上位は皆若手が占めるなど世代交代が鮮明になった開幕戦でもあった。

優勝カップを掲げる金谷拓実。プロ5戦目にして2勝し、賞金ランキングトップに。

優勝カップを掲げる金谷拓実。プロ5戦目にして2勝し、賞金ランキングトップに。

 2日目通算10アンダーで金谷拓実(22)が単独首位に。2位は1打差9アンダーで木下稜介(29)。3位はアマの中島啓太(20)。「ルーキーVS学生アマ」注目の決勝ラウンドに入るはずだったが、この日の舞台裏では深刻な事態が発生していた。出場選手である金庚泰(キムキョンテ)の感染が判明したのだ。この日キョンテは朝から発熱があり、会場には行ったものの、クラブハウスには入らず駐車場の車内で待機。医師の診察を受け検温。38.5度の発熱を確認したため、桑名市内の病院で抗原検査を受け感染が判明した。行動を共にしていたキョンテのキャディーと朴銀信(パクウンシン)も濃厚接触者と判断された。ウンシンは2日目をラウンド中だったが途中棄権。前日に同じ組でラウンドした時松隆光と香妻陣一朗もラウンド終了後、PCR検査を受けたが陰性が確認された。

 キョンテは3月28日に来日。2週間のホテル隔離期間を経て13日火曜日のPCR検査では陰性。新幹線で名古屋へ移動して桑名市へ会場入りした。初日、症状はなく普通にプレーしていたが…。私的にはキョンテのイメージからしていちばん“感染しない様な人”が感染したのはある意味驚きだった。入国後2週間の隔離を経て12日の検査で陰性だったのだから、感染源は新幹線など道中か飲食店か?私も12日にPCR検査を受け陰性だったが、その後に感染してしまえば防ぎようがない。あくまで「その時点での陰性」なのだ。選手もスタッフも我々メディアも検査後は自制ある行動をしなければならないということを改めて意識した。

ハウス入り口にはもれなく検温所と消毒が。選手と導線が別れているため、我々メディアはハウス内に入れません。

ハウス入り口にはもれなく検温所と消毒が。選手と導線が別れているため、我々メディアはハウス内に入れません。

 日本ゴルフツアー機構は関係者の安全を考え、3日目の競技中止を発表。会場を立ち入り禁止にしてクラブハウス内を消毒。規定の32ホールは消化していたため最終日の中止もささやかれたが、17日ぎりぎりまでの協議の結果「天候が回復する見込みとなったため競技を行うことを決定」と連絡が…。何か、コロナなのか悪天候なのか理由がわからない発表となった。しかも決定は17日19時過ぎ、ちょっと遅すぎw。確かに3日目は大雨で中止でもおかしくない土砂降りでしたが…。何でも大会中の感染で「中止」という前例を作りたくなかったのだとか…。しかし、せっかく松山英樹のマスターズ制覇で盛り上がっていた男子ゴルフ界に、水を差した形になってしまったのは残念だ。

 一方、試合最終日は金谷拓実が首位を譲ることなく優勝。3バーディー2ボギー通産11アンダーでツアー3勝目と、開幕戦を制した。毎年この時期強風が吹き荒れる多度。後半は風の影響を受け10番11番と連続ボギーで、アマの中島啓太との差は1打差に縮まる。12番パー5、金谷、中島ともにバーディーで1打差のまま。耐えて17番、先に打った中島と木下の1打目は風に流されフェアウェイ右の池へ。それを見ていた金谷は冷静に風を読みフェアウェイ真ん中へ「もし先に打っていれば自分も池に入っていたかも…」。3打目を1.5mに寄せバーディー。2打差で最終18番ホールへ…。18番グリーン金谷は難なくパーパットを沈め優勝を決めた。中島は最後にロングパットを決めバーディーフィニッシュ。“見せ場”を作り1打差通算10アンダーで終えた。

最終日最終組の金谷拓実(22)中島啓太(20)木下稜介(29)写真は3番Tee。

最終日最終組の金谷拓実(22)中島啓太(20)木下稜介(29)写真は3番Tee。

 今期は昨年20年度と統合されたため、金谷の賞金ランキングも今期2勝で55,895,000円でトップに。「賞金王も目指しているので、たくさん優勝できるようにプレーしたい」「世界ランク50位に入ればたくさんの海外の試合に出られるので目標にしたいです。当面は全米プロ(100位以内)に向けてがんばりたい」。また、金谷は先輩の松山に電話でマスターズ勝利の祝意を伝えたところ、松山から「一緒にオリンピックに出よう」と言われていたらしく「がんばって選ばれたい」と熱く語った。アマチュアで国内ツアー優勝、マスターズ出場、世界アマランク1位、プロ転向賞金ランキング1位、ルーキーイヤーで賞金王になれば松山の歩んできた道をそのまま踏襲することになる。松山と比べると体格、飛距離など世界との差はあるが、近い将来世界に羽ばたきメジャー制覇を成す日が来るだろう。

 今大会もう一人注目されたのがアマチュアの中島啓太(20日体大)だ。2018年アジア大会金メダル20年アマ世界ランキング1位。昨年の三井住友VISA太平洋では優勝争いに絡み3位。ダンロップフェニックスでも8位タイで2週連続ローアマを獲得。最終日2打差8アンダーでスタートした中島「優勝だけを見つめていた」史上5人目のアマ優勝を狙ったが多度の強風に苦しんだ。金谷と1打差で迎えた17番パー5、イーグルも狙えるホール「風は読めていたが迷いがあった」という1打目は流され右の池へ…。パーでしのぐも金谷はバーディーを決め2打差で、勝敗ほぼ決まった。

自らバッグを担ぐ中島啓太。学生にしてみれば“日常”ですが…。キャディーさんは何処に行ってしまったのでしょうか?

自らバッグを担ぐ中島啓太。学生にしてみれば“日常”ですが…。キャディーさんは何処に行ってしまったのでしょうか?

 「金谷さんを追い詰めたとは思っていませんが、後一歩追いつけなかったのは本当悔しいです。またの機会にリベンジさせていただきたい」。18番バーディーフィニッシュのガッツポーズには、握りしめた拳にその思いが詰まっているようだった。とはいえ、3バーディー1ボギー単独2位は立派。金谷曰く「ライバルのような存在」とか。あと、今大会印象に残ったのは、金谷、中島の他にも宮本勝昌を除けば、ほぼ20台の若手が上位を占めた。下部ツアーのチャレンジ出身組も多く正に世代交代そのものを印象付けた大会だった様に思う。チャレンジツアーの撮影にも行っている私としては気持ちが入り応援したくなる。

執筆:2021年4月24日

2021年05月14日

コラムフォト

取材担当プロフィール

山之内 博章 やまのうち はくしょう (はっちゃんと呼ばれています。)
1967年2月24日名古屋市生まれO型の魚座です
ゴルフフォトグラファーをやってますが、他に人物や商品も撮ります。
特技?なんだろ?カラオケは大好き。
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