じめじめとした梅雨のひととき、
心を慰めてくれるのがアジサイです。
日本各地には、境内であじさいが観賞できる寺院が点在し、
それぞれ「あじさい寺」と呼ばれています。
今回は、稲沢市にある「あじさい寺」
大塚山性海寺(しょうかいじ)を訪ねました。
↑性海寺の入り口。
平安時代の弘仁年間(810~824年)、
弘法大師として知られる「空海」によって創建されたと伝わる古刹です。
江戸時代前期に建築された山門をくぐると、
正面に国重文の本堂、左手に同じく重文の多宝塔がたたずみ、
しっとりと心が落ち着く空間となっています。
この境内をぐるりと取り囲むように、
約90種類1万株のアジサイが植栽される大塚性海寺歴史公園が広がっています。
↑山門をくぐって右手の道を進むと、
色とりどりのアジサイたちが出迎えてくれました。
全体的には、7分咲きぐらい。
↑「東雲(シノノメ)」。
小ぶりなヤマアジサイ系統の品種。はかなげな風情がいいですね。
アジサイは日本原産の花で、一般に日本のアジサイは、
ガクアジサイ、ヤマアジサイ、エゾアジサイの3系統に大別できるそうです。
そこに、
一度ヨーロッパに渡って品種改良後に逆輸入された西洋アジサイ、
外国産のアジサイが加わって、こんにちの「アジサイ」となるわけです。
ガクアジサイは日照りや乾燥にも比較的強いが、
ヤマアジサイやエゾアジサイはやや湿った半日陰を好むそうで、
ヤマアジサイの植栽エリアには日光をさえぎるための
おおいが取り付けられていました。
↑「黒軸アジサイ」。
くきが真っ黒です。渋いですね。
ガクアジサイ系の「手まり咲き」という咲き方だそうです。
↑「湖畔」。
これは、ガクアジサイ系の「ガク咲き」。
真ん中に集まった小さなつぼみが本当の花(両性花)で、
周りで咲いている花のように見えるのは、
「装飾花」と呼ばれるガクです。
↑「ダンスパーティー」
装飾花が八重になってます。
ピンク色のグラデーションがかわいい。心ウキウキ。
↑「花火」。
パチパチと火花がはじけているみたいですね。
↑「望月(モチヅキ)」。望月は、満月の別名。
そう思いながら眺めていたら、
夜空に浮かぶ、まん丸のお月様に見えてきました。
ヤマアジサイ系。
↑「シュガーホワイト」。
花びらの端のフリフリがレースのようです。
↑「スノークイーン」。
円すい状に咲くカシワバアジサイ(北米産)の一種です。
↑「ハーモニー」。
これもカシワバアジサイの一種。
↑これはカシワバアジサイの八重咲き。
↑カシワバアジサイが植えられた一帯は香りが強く、
アブやチョウなどの虫たちも引き寄せられていました。
アジサイといえば、青やピンクのイメージでしたが、
意外と白い花もたくさんあるんですね。
↑公園内には小高くなった古墳跡があり、
階段で上れるようになっています。
40段ぐらいだったかな。
↑公園案内図。5700平方メートルあるそうです。
↑園内で見つけた「ナツツバキ」。
仏教の聖樹とされる「シャラノキ」の別名もあり、
清らかな雰囲気が漂います。
↑門前には、八重咲きのサツキが咲いていました。
6月15日(日)までは「あじさいまつり」が開かれており、
寺所蔵の文化財特別公開や茶席、アジサイ販売も行われていました。
訪問した日はよく晴れており、それはそれできれいでしたが、
雨に濡れて生き生きと咲くアジサイも見てみたいものです。
花は今月下旬まで楽しめそうですので、
雨が降ったらもう一度足を運んでみようかな。
取材日:2014年6月7日
大塚山性海寺歴史公園
愛知県稲沢市大塚南1-33
入園無料
交通アクセス
○公共交通機関
名鉄「国府宮」駅からタクシー約5分
○車
名古屋第二環状自動車道・清洲西ICから北西へ約6km。
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。