季節はすっかり冬。
雪の季節に花を咲かせる数少ない花のひとつ・サザンカを見に、
岐阜県大垣市にある美濃国分寺跡歴史公園へ行ってまいりました。
国分寺は、奈良時代に聖武天皇の発願によって、
当時全国に60余りあった国にひとつずつ建立されたものです。
美濃国分寺跡は、道路などで分断されずに
礎石などがしっかりと残る貴重な遺構で、国の史跡に指定されています。
今は歴史公園として整備されており、どこに何があったか、
実際に歩きながら学ぶことができます。
↑公園の北側から内部を見たところ。
かつて築地大垣がめぐらされていた伽藍の周囲に、
現在は約4600本のサザンカが植栽されています。
↑公園内側から見たサザンカの生け垣。
隣接する大垣市歴史民俗資料館の方のお話では、
今年は例年より咲きはじめが若干早かったそうです。
↑公園の外側から見たサザンカの生け垣。
北門跡、西門跡、南門跡、東門跡の部分は空けてありますが、
それ以外は、隙間なくずーっと立ち並んでいます。
↑紅色の大ぶりな花がたくさん!
とっても華やかで、元気をもらえます。
まだまだつぼみもいっぱい。
↑生け垣のサザンカはほぼすべて同じ花色でしたが、
西側の生け垣の一部に、桃色の花を見つけました。
こんな小さな発見がうれしいものです。
↑築地跡の説明板。
現在サザンカの植わっている部分に、
高さ3mほどの築地塀が設けられていたと考えられているそうです。
↑こちらは南門跡。
外周は約900mあるそうですが、
息吹おろしがまともに吹きつけるため、とっても冷えます。
ジョギングをしている人は何人か見かけましたが、
歩くならしっかりと防寒していく必要があります。
↑園内に整然と残る大きな礎石。
↑大きな説明板。
配置図を見ながら説明を読めるので、とても分かりやすいです。
↑園内の東側と西側に2カ所ある僧坊跡。
そこに30品種1100本のサザンカが植栽されていると
大垣市のホームページに紹介されていたのですが、
実際行ってみると、そんなに木が植わっているようには見えません。
都市施設課の方にお話を聞くと、
粘土質の土壌が合わないらしく、
平成18年に植えた30品種1100本のサザンカの大半は
弱ってダメになってしまっているとのことでした。
そんな中でも、頑張って咲いていた花たちを紹介します。
(札などが付いていなかったため、品種は植栽リストの中からの推測です)
↑これは「初鏡」のようです。
小ぶりながらも、鮮やかな色の調和が素晴らしい。
↑「新乙女」かな。
ピンクのバラのようにも見えますね。
↑これは、多分「日の出富士」と思われます。
真っ白な花の中央辺りが、ほんのり桃色を帯びています。
↑「昭和の栄」っぽいと思います。
日に透けて、白と桃が混ざったように見える花色が繊細です。
↑これは恐らく「ベアトリスエミリー」でしょう。
ふわふわとした花びらの質感がかわいらしいです。
外周に咲く元気一杯のサザンカたちに比べると、
園内のサザンカたちは、いずれもか弱く映ります。
それでも、
それぞれ美しい花を咲かせて立ちつくしている風情は何とも健気で、
いとおしさがこみ上げてきました。
歴史公園内ということで、手入れに制限があるのでしょうが、
何とかもう少し元気に生育できるようにと願うばかりです。
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美濃国分寺跡や周辺の歴史について詳しく知りたい人は、
公園の北側にある大垣市歴史民俗資料館へ。
「千年以上も前のものなのに、こんなにしっかりと残っていたの!?」と
驚くほどの出土品などを見ることができます。
また、さらにその北側にある山のふもとには、
江戸時代に再興されたという高野山真言宗の「美濃国分寺」があります。
国分寺跡から出土したという薬師如来像(国重要文化財)をご本尊とし、
西美濃三十三霊場の満願所にもなっています。
取材日:2014年12月6日
美濃国分寺跡歴史公園
岐阜県大垣市青野町字八反田1240
TEL:0584-47-8419(大垣市都市施設課)
※隣接する大垣市歴史民俗資料館(TEL:0584-91-5447)は、
火曜定休、午前9時~午後5時開館、入館料は一般100円、高校生以下無料。
交通アクセス
○公共交通機関
JR大垣駅からタクシー約20分、またはJR垂井駅からタクシー約10分。
○車
東海環状自動車道・大垣西ICから北西へ約4.5km。
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。