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コラム 花紀行

名古屋市「鶴舞公園」のスイフヨウ

名古屋市「鶴舞公園」のスイフヨウ

まだまだ暑い日が続きますが、
朝晩の空気に涼しさが混じるようになりました。

この時期が見ごろのスイフヨウを見に、
鶴舞公園へ出かけてきました。

朝咲いて、夜にはしぼんでしまう「一日花」なのですが、
一日のうちに花の色が白から赤へ変化する様子が
酒に酔っているようだからというのが、
名前(スイフヨウ=酔芙蓉)の由来のようです。

鶴舞公園には、
スイフヨウが50本も植えられている「スイフヨウ園」があります。
場所は、噴水塔から南へ進み、陸上競技場に突き当たる手前の左角。

すぐ東隣には、温室などを併設した「緑化センター」があります。

↑噴水塔から南下し、左(東)側にある「スイフヨウ園」。

↑反対側の「緑化センター」から「スイフヨウ園」を見たところ。

今回は、
時間の経過とともに花の色が変わる様子を写真に収めることが目的です。

↑朝10時ごろ。
高さ2~3メートルの木に、
白い花がいっぱい咲いています。

↑隣の、赤くしぼんだ状態の花は、前日に咲き終わった花の残骸。
色もそうですけど、すごいコントラストのツーショットですね。

↑八重咲き。

同園のスイフヨウは、
一重と八重、七面(八重咲きで一部が赤くなる)の3種類とのことですが、
七面芙蓉の開花期はもう少し先のようで、
今回は見つけることができませんでした。

↑11時ごろ。
ほんの少~しですが、外側の花びらが色づき始めているような。

全体がピンク色になるにはもう少し掛かりそうだと、
ここで、ランチのために一時同園を離れました。

↑ランチから戻り、昼の12時半ごろ。
全体が、うすピンクになってました。

↑1~2杯飲んで、ほんのり上気した「ほろ酔い」の色ですね。

ろう細工のような繊細な花びらに、たおやかな雰囲気が漂い、
まだお酒を飲み慣れない若い娘さんを思い浮かべてしまいました。

↑花の大きさは、直径10~12センチぐらい。

↑だんだん、ピンク色が濃くなっていくような気が…。
見づらいですが、写真中央上部にクマバチがホバーリングしています。

写真にはあまり写っていませんが、
小さなアリや細~いクモなど、ムシたちにも大人気。
ついつい引き寄せられてしまうのでしょうか。

ご機嫌な花たちの顔を十分に拝ませてもらったところで、
野暮用を片づけに、またまた中座です。

↑16時過ぎに戻ったら…、
ぐでんぐでんの酔っぱらいたちが、くだを巻いていました。

そして17時になるころには、
ほとんどの花が、それぞれ花びらを閉じてしまったのです。

↑花を閉じる様子。
それぞれ違う花ですが、
左上から順に見ていくと、花を閉じていく雰囲気が伝わると思います。

途中、何度か中座しましたが、
一日を通してスイフヨウの花の変化を見られて、とても楽しかったです。

たくさんのつぼみを付け、
8月中旬から10月上旬と見ごろの長いスイフヨウですが、
スタッフの方のお話では、
一連の花の変化が1日で楽しめるのは、夏の間だけなのだとか。

涼しくなるにつれて、花色が白い時間が長くなって、
サイクルがずれていってしまうのだそうです。

↑これは、園芸センターの東庭に植わっていたコダチフヨウ。
ハイビスカスによく似た濃いピンク色の花です。
(右上:昼間の様子、右下:夕方の様子)

花の色はずっと濃いピンクのままですが、
フヨウの仲間はいずれも一日花なので、夕方には閉じていました。

また、公園内では、
ほかにもまだまだ夏の花が生き生きと咲いていました。

↑左上から、
サルスベリ(白)、サルスベリ(赤)、
ハス、ナツズイセン。

一方で、そろそろ秋の草花たちも顔を見せ始めています。

↑パンパスグラス。

↑色づき始めたコムラサキの実。

夏の名残と、秋の訪れー。

自然は、
刻一刻と着実に表情を変えて、
自分勝手に生きている私たち人間に、
季節の移り変わりを実感させてくれます。

取材日:2015年8月22日

DATA

鶴舞公園

愛知県名古屋市昭和区鶴舞1-1-168
TEL:052-733-8340(鶴舞公園管理事務所)
※9月6日(日)まで、緑化センターにて「私の植物画展」開催中

交通アクセス

○公共交通機関
JR中央線または地下鉄鶴舞線「鶴舞駅」下車すぐ。
○車
名古屋高速・吹上西・東ICから南西へ約5分。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。