ということで(笑)、
今月も涼を求めて、水辺の花を訪ねました。
目的地は、愛知県東浦町にある「於大(おだい)公園」。
絶滅危惧種のオニバスを栽培しています。
↑自然の地形を活かして作られた「於大公園」は、
面積が12.1ヘクタール、外周散策コース約1.4キロ。
カワセミやトンボなどが多く見られ、
「手入れが行き届いている」と、
四季折々の花を楽しむ人やカメラマンに人気の公園です。
↑公園中央付近にある「大池」。
絵になりそうな、風情ある景色がいい雰囲気です。
園内には池が4カ所あり、
目指す「オニバス池」は、北の端にあります。
まずは、
大池の東側にある公園管理事務所「このはな館」で
涼んで(冷房が効いてる!)、情報を収集してから、
オニバス池へ向かいます。
↑「オニバス池」。
今年のオニバスの栽培スケジュールや昨年の見ごろなど、
わかりやすい案内が展示してあります。
↑今年のオニバス池での栽培は6株。
葉っぱが大きく放射状に広がるので、
1株1株が、結構場所を取るんですね。
↑手前に並んでいる丸い葉っぱ9枚で1株。
葉っぱは、1枚が1メートル以上にもなり、
真ん中に花が付きます。
↑何とも不思議な深い紫色の花。
思わず見入ってしまいます。
葉っぱや茎にもトゲがびっしりです。
写真上部には
池のほとりに咲いている白い花が水面に映っているのですが、
まるでバイカモのようにも見えますね。
↑花には、地上に顔を出して開花する「開放花」と、
水中で自家受粉する「閉鎖花」の2種類があるそうです。
写真上部に映っているのは、葉っぱの赤ちゃんです。
オニバスの葉っぱは、くしゃくしゃっと丸まった状態から
少しずつしわが伸びるように広がっていくのだそうです。
↑写真手前は、伸びきった葉っぱ。
右手の葉っぱは、まだ若く、しわを伸ばしている途中のようです。
オニバス池の入り口には、小さなオニバス水槽があって
葉っぱに触ったり、じっくり観察できるようになっています。
↑葉っぱの色はリバーシブルになっていて、
裏側はこんなに鮮やかな紫色なんです。
実際に触ってみると、
葉っぱの表面のトゲトゲは細いのに本当に鋭くて、
指に刺さるとすごく痛かったです。
↑同じ池の一角には、
小ぶりな熱帯スイレンも美しい花を咲かせていました。
同じスイレン科だからでしょうか。
花を中心にして放射状に葉が広がっている様子が
オニバスに似ています。
公園管理事務所のスタッフの方によると、
東浦町のオニバスは、
於大公園から少し離れたところにある石浜地区にある飛山(とびやま)池で
昭和56~57年に自生しているのが見つかったそうで、
平成7年から於大公園で保護のための栽培を続けているのだそうです。
1年生の植物なので、
毎年、種から発芽させて丁寧に育てているそうですよ。
ごつい外見とは裏腹に、水深の管理や、カメの食害など、
気を使わなければいけないことが多く、
意外とデリケートなのだとか。
広い園内には、他にも見どころがいっぱい。
↑夏の癒し「ムクゲ」。
暑い中にあって、涼しげなたたずまいに、ホッとします。
↑水路近くに咲いていた「ノカンゾウ」。
ユリに似た、ほっそりとかわいらしい花。
↑ネムノキの実。
豆みたいですね。
↑薬草園やハーブ園も。
ほかにも、遊具広場やマレットゴルフ場、おもしろサイクル広場、
バーベキュー場など、ファミリーで楽しめる施設がそろっています。
(プールもありますが、今年の営業は8月15日で終了しました)
絶滅危惧種でもあり、
何となくその名前のごつさから敬遠していたオニバスですが、
今回、直接触れてみて、
意外な繊細さや、名前の通りのトゲの痛さ、
ユニークな葉っぱの広がり方など、
とても面白い植物ということが分かり、
親近感を感じました。
今のところ、生育状況は例年並みだそうですので、
9月上旬に開放花が多く見られる見ごろを迎えそうとのこと。
9月3日(土)には講習会(自由参加)も行われるそうですので、
興味を持たれた方は、出かけてみてはいかがでしょうか。
取材日:2016年8月20日
於大公園
愛知県知多郡東浦町大字緒川字沙弥田2-1
問い合わせ先:0562-84-6166(公園管理事務所)
※2016年9月3日(土)10:30~11:30にオニバス池にて「絶滅危惧種オニバスを触ってみよう!」という講習会を開催予定(雨天中止)。
交通アクセス
○公共交通機関
JR武豊線・緒川駅から徒歩約20分。
○車
知多半島道路・東浦知多ICから東へ約3.5キロ。
◎園内に2カ所無料駐車場有り。
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。