【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. 花紀行
  4. 名古屋市「庄内緑地」の秋バラ

コラム 花紀行

名古屋市「庄内緑地」の秋バラ

名古屋市「庄内緑地」の秋バラ

秋も深まり、
朝晩はずいぶん冷えるようになりました。

徐々に花が少なくなっていく時期ですが、
そんな中、美しさに磨きをかけているのが「秋バラ」です。

名古屋市内で最大規模のバラ園のある庄内緑地で
秋バラが見ごろを迎えていると聞き、
早速出かけてきました。

↑入り口広場からバラ園の方へ向かう途中にある大噴水。
 両側の木々も色づき始め、とってもきれいです。

↑11月の園内案内板。
バラ園は、東西に細長い園内のほぼ中央辺りにあります。

表示によると、
「秋バラ」は11月上旬~12月、
11月下旬にはメタセコイヤやラクウショウの紅葉ほか、
サザンカやカンツバキも楽しめるようです。

↑バラ園の様子。
 4920平方メートルの敷地に
 70品種約2500株が植えられています。

スタッフの方にお話を伺ったところ、
今年は開花が少し遅れたが、
11月いっぱいは十分楽しめそうとのこと。

気温が低い中で生長する秋のバラは、
徐々に開花するために見ごろが長いこと、
花が傷みにくく、香りも長持ちすることから、
1輪1輪の美しさや香りをじっくり楽しめるのだそうです。

また、
秋は日光の加減から写真映りも良いため、
カメラ愛好家に好まれるのだというお話も伺いました。

ここからは、
園内で印象に残ったバラたちを
それぞれに付された説明板の内容をもとに紹介していきます。

↑ダイアナ・プリンセス・オブ・ウェールズ。
 1998年にアメリカで作出された品種で、
 故ダイアナ妃に捧げられたバラだそうです。
 可憐な中にも気品と優美さが感じられますね。

↑ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコ。
 モナコ大公即位50年を記念して、
 2000年にフランスで作出された品種。
 花弁の色が白から赤へ変わるのが特徴。

↑プリンセス・ド・モナコ。
 故モナコ大公妃(グレイス・ケリー)に
 気に入られたことが名前の由来。

↑ウエディングブーケ。
 「香りのバラ」エリアに植栽されていたピンクのバラ。
 フルーツ系のさわやかな香り。

↑オクラホマ。
 これも「香りのバラ」エリアのバラ。
 バラらしいダマスク・モダンの香り。
 濃く深い紅色から、「黒バラ」の名花としても有名。

↑マリア・カラス。
 20世紀半ばごろに活躍したオペラ歌手の名を冠したバラ。

↑レディ・ローズ。
 淡い香りを放つ鮮やかな朱紅色のバラ。
 貴婦人のような気高さと色気を感じます。

↑ブラスバンド。
 ウェーブのかかったオレンジ色のバラ。
 花持ちが良く、長く楽しめる品種だそう。

↑ゴールドグロー。
 直訳すると、黄金の栄光。
 黄色のバラの中でも、病気に強い品種だとか。

↑ホワイト・クリスマス。
 大輪で、強い香りを放つ白バラ。
 清々しいまでの白さが、白銀の雪を思わせます。

↑アスピリン・ローズ。
 1997年、
 薬のアスピリン誕生100周年を記念して
 ドイツにて作出された中輪のバラ。
 病害虫にとても強いのだそう。

ここからは、
日本で作出されたバラです。

↑琴音(コトネ)。
 2002年作出。
 花の中心から外に向かって
 色が淡くなるグラデーションが美しいバラ。
 琴の音の広がりを表しているのでしょうか。

↑天津乙女(アマツオトメ)。
 1960年作出。
 名前の由来は、宝塚歌劇団の当時のトップスターから。
 フルーツのような微香が魅力です。

↑緑光(リョッコウ)。
 1986年作出。
 花の色が白から淡い緑に変化するのが特徴の
 小ぶりのバラです。

↑聖火(セイカ)。
 1964年の東京オリンピックにちなんで、
 1966年に作出された大輪のバラ。
 白地に浮かんだ濃い紅覆輪が、燃え立つ炎のようです。

 微香に誘われてか、モンキチョウがやって来て、
 羽を休めていました。

↑かざぐるま。
 2000年作出。
 早咲きで、大きなトゲのある頑健なバラ。
 一重咲きの深紅の花は、まるで椿のようにも見えます。

ほかにも、
2014年に作出されたという「ローズ・ナゴヤ」など、
つぼみをつけた株がたくさんあり、
これからも次々と花を咲かせていきそうです。

冬が訪れる前のほんのひとときですが、
空気が清々しく、
バラの花や木々の葉が美しく色づくこの時期は、
思いがけない“ごほうび”のような時間だなあ、
としみじみと実感する訪問となりました。

公園は広く、40万平方メートルもあるため、
園内を効率よく回るなら、無料のレンタサイクルがお薦め。
自転車を貸し出すサイクリングセンターは、
入り口広場にあるグリーンプラザの向かい側にあります。

取材日:2016年11月12日

DATA

名古屋市「庄内緑地」

名古屋市西区山田町大字上小田井字敷地3527
 問い合わせ先:052-503-1010
 ※庄内緑地グリーンプラザは毎週月曜と、毎月第3水曜休館(入館無料)
 ※無料で自転車を貸し出す園内のサイクリングセンターの利用期間は、4月~11月末の土・日・祝日(1回60分)

交通アクセス

○公共交通機関
 ・地下鉄鶴舞線「庄内緑地公園」下車、2番出口すぐ南。
 ・市バス〈栄11系統〉「如意車庫前」「平田住宅」行きまたは〈名駅12系統〉「如意車庫前」行き「庄内橋」下車、西へ150m。

○車
 ・名古屋高速6号清須線・庄内通ICから北へ約2km。
 ・名二環・山田西ICから南へ約2km。
 ◎有料駐車場有り。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。