日中はまだまだ暑さが残りますが、
朝夕はめっきり涼しくなってきました。
もう秋だなあと思っていたら、
今年もヒガンバナの群生を見たくなり、
愛知県豊田市の逢妻女川(あい・づま・め・がわ)
まで出かけてきました。
ヒガンバナの群生が見られるのは、
市の南西部を流れる逢妻女川の土手で、
男橋(宮上町)から、天王橋(丸根町)までの約450メートル。
平成8(1996)年、地域の有志によって結成された
「逢妻女川彼岸花育成会」によって毎年植え付けが行われ、
今では200万本以上の大群生になっているそう。
(12年ほど前からは市の助成が付いて、
活動の範囲が拡大しているそうです。)
↑2つの橋の間にある宮上橋の近くに立っていた案内看板。
花の数が60万本と書いてあるけど、本当のところは何本なのかな?
育成会の安田会長にお話をうかがうと、
「あと24万球で、目標の300万本を達成する」そうで、
看板の情報は古いから、近々作り直して新しくするとのこと。
「今年は9月の半ばに大雨が降って、
土手が一回、水に浸かったから、花がきれいに咲いたよ」とも。
↑宮上橋から、北にある天王橋方面を見たところです。
まるで、長くて真っ赤なじゅうたんを敷き詰めたよう!
左側の上の方の緑は、つぼみたちです。
堤防沿いの道は、車両通行止めとなっていて、
のんびり散策できるようになっています。
遠くに小高い山も見えて、のどかでいいですね。
↑宮上橋から、南にある男橋方面に向かって。
咲きそろうまであと一息、といったところかな。
こちらは、堤防沿いの道は車も通るので、歩くときは注意が必要です。
正面に見える男橋は、
結構交通量の多い車道で、バスも通ります。
↑宮上橋から、北にある天王橋方面に向かう
堤防沿いの道から。
安田会長によると、
あえて、球根と球根の間を詰めて植えているとのことで、
花の赤色がギュギュッと詰まって見えます。
↑ヒガンバナの開花時期だけ、
水辺まで降りられる階段が数カ所に備え付けられます。
間近に花の群生が見られるので、これはうれしい心遣いです。
↑対岸のヒガンバナが水面に映っています。
視点が変わると、見える風景も変わります。
↑蜜を吸いに来たアゲハチョウ。
ゴージャスな赤の世界に、よく映えます。
↑日の光を受けて、
キラキラときらめくヒガンバナ。
宝石にもひけをとらない、
この時期だけの輝きです。
↑青空に向かって伸びるヒガンバナ。
優しい青色との対比が爽やかですね。
↑北端の天王橋から宮上橋の方面を見たところ。
この辺りは少し開花が遅いようです。
そして、ヒガンバナの群生はここまでです。
↑天王橋のさらに北側はこんな感じになっていて、
全く世界が違います。
↑天王橋を渡って、再び宮上橋の方に歩いて行きます。
つぼみがにょきにょきと伸びています。
↑真っ赤なじゅうたんの中に、
ところどころ、白い模様が。
↑白いヒガンバナです。
安田会長の経験談では、
黄色い品種のヒガンバナを赤い品種の中に植えると、
何もしなくても花の色が白くなってしまうのだそうです。
赤いヒガンバナに色素を吸い取られてしまうのでしょうか?
不思議ですね。
↑あれ、
赤い帯の中心辺り、白っぽくなっている一角がありますね。
↑よく見てみると、
終わりかけで、色素が薄くなってしまった花たちでした。
燃え尽きて、灰になってしまったようにも見えます。
こんなに見事な彼岸花たちですが、
今年は10月14日、15日に全部刈り取ってしまう予定とのことです。
「知ってる人はあんまりいないけど、
ヒガンバナって、花の後に出る葉っぱも青々としてきれいなんだよ。
12月~1月が見ごろだから、ぜひ葉っぱも見に来てほしいなあ」
と安田会長。
球根の植え付けだけでなく、
ヒガンバナの生長の周期に合わせて、この広い土手の草刈りを年6回。
花の時期には、毎朝見回りも欠かさないそうです。
逢妻女川のヒガンバナは、
こんな情熱に溢れた花守人たちに大切に育てられて、
知る人ぞ知る、新たな名所になりつつあります。
ぐるっと一周しても1キロ弱と、
年配者や、あまり体力のない人でも歩きやすい距離も魅力です。
取材日:2017年9月23日
愛知県豊田市内「逢妻女川」堤のヒガンバナ群生地
愛知県豊田市宮上町の男橋~同市丸根町の天王橋
TEL:0565-34-6629(豊田市地域支援課)
交通アクセス
○公共交通機関
地下鉄鶴舞線・名鉄豊田線「赤池」駅から豊田市行き名鉄バスに乗って「宮上町」(22カ所目のバス停)下車すぐ。
または、名鉄三河線「豊田市」駅から赤池駅行き名鉄バスに乗って「宮上町」(5カ所目のバス停)下車すぐ。
○車
東名高速・豊田ICから北東へ5km弱。
※無料臨時駐車場有り(逢妻女川の西側に4カ所、約50台分)。
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。