終わる気配のない猛暑に悩まされた今年の夏。
9月下旬に入り、秋らしい涼しさが感じられる日も増えてきました。
厳しい夏を乗り越えて咲き始めた秋の花たちを見に、
春日井市都市緑化植物園(グリーンピア春日井)を訪ねました。
緑豊かな尾張丘陵に位置し、
椿園や梅園のほか、バラ園や果樹園など、
四季折々の植物が楽しめる同園。
緑と花の休憩所や動物ふれあい広場もあり、
変化のある散策が楽しめます。
↑園内の案内板。
15万8000平方メートルある園内には、
散策路が張り巡らされています。
まずは、
駐車場からすぐの花と緑の休憩所で園内マップをもらい、
万葉集に登場する植物を集めたという「万葉苑」を目指します。
↑散策路脇に、秋の七草の代表格・ハギとススキが見えて来ました。
↑万葉苑です。
左側の低木はカシワバアジサイかな。
もう紅葉が始まっています。
↑コケむした石段の脇には、真っ赤なヒガンバナ。
しみじみとした趣があって、
こんな感じもいいですね。
↑万葉苑はあまり広くはありませんが、
藤棚や木道、板垣もあって、
しっとりと和の風情に浸れます。
↑白いシュウメイギク(秋明菊)が咲いていました。
たおやかで、清らかなたたずまい。
名前に菊と付きますが、
キク科ではなく、キンポウゲ科の多年草で、
アネモネやニリンソウの仲間です。
↑こちらは八重咲きのシュウメイギク。
八重の方は、つぼみがキクっぽく見えますね。
↑これはシロヨメナかな。
道ばたでもよく見かける野の花ですが、
苔むした和風庭園で見ると、
楚々としたしとやかさと品格を感じます。
↑ミヤギノハギかな。
秋の七草の一つであり、
万葉集に最も多く詠まれた植物でもあります。
↑白いハギ。
爽やかな雰囲気。
↑ヤブラン。
↑ムラサキフジバカマ。
淡い赤紫色を帯びるフジバカマより青色が強いです。
フジバカマも、秋の七草の一つです。
こぢんまりとした苑内を歩いていると、
どこからか、かすかに芳香が漂ってきました。
↑キンモクセイの雄花。
(日本にあるキンモクセイはほとんどが雄株といわれています)
まだそれほどたくさんは咲いていなかったのですが、
香りを頼りに探し当てることができました。
万葉苑以外でも、
あちらこちらでかわいらしい秋の花を見ることができました。
↑シソ科の多年草・ハナトラノオ。
日を浴びて気持ち良さそう。
↑池のほとりに咲いていたハクチョウソウ。
漢字は白蝶草。
4枚の花びらを羽に、長いオシベを触覚に見立てれば、
まさに白いチョウです。
↑ユリ科の多年草・ホトトギス。
3センチほどの小振りな花ですが、
野花の素朴さと、繊細な優美さに目を奪われました。
花の形も面白いですね。
↑鮮やかな紅色が美しいミズヒキ。
小さくて、花びらも持たない花ですが、
不思議と見入ってしまいます。
そのほか、
ムクゲやフヨウ、サルスベリも
まだまだ美しい花を見せてくれていましたし、
アベリアやギボウシ、センニンソウといった
可憐な花たちも楽しめました。
その上、
椿園では早咲きの西王母の花まで見ることができました。
(西王母はツバキの中でも9月~4月と、花期の長い品種です)
秋の一日、
季節の変わり目を花で実感できる同園で
のんびり散策、かなりお薦めです。
(池には、足こぎボートもありますよ)
取材日:2018年9月22日
春日井市都市緑化植物園
愛知県春日井市細野町3249-1
TEL:0568-92-8711
開園:午前9時~午後6時(11~3月は午後5時まで)
※入園無料
※動物ふれあい広場は午後4時半まで
定休日:毎週月曜、年末年始
交通アクセス
○公共交通機関
JR中央本線「高蔵寺駅」から名鉄バス「植物園」行きに乗り終点で下車。
○車
東名高速道・春日井ICから北東へ約8km。
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。