暖かかったり、
少し肌寒さを感じたりを繰り返しながら、
春を実感する季節となりました。
白く咲き乱れる街路樹のモクレンを目にし、
そろそろシデコブシも咲いているのではと思い、
自生地の一つである春日井市の「少年自然の家」を訪ねました。
↑少年自然の家の敷地面積は、約43万7000平方メートル。
市内で2番目に大きなため池である
築水(ちくすい)池の南側に広がる豊かな森に、
散策路やフィールドアスレチック、テント場があります。
管理棟を北西に進み、
池沿いにグリーンウォッチングコースを南下して、
シデコブシが自生する「コブシ林」を目指します。
↑築水池。
まだ春先なので、水量は少ないようですね。
「ホーホケキョ」
どこで鳴いているのか、ウグイスのきれいな声が響きます。
シーズンの鳴き始めは、まだ慣れなくて
つたない鳴き声のウグイスも多いのですが、
このときの声は、鳴き慣れたきれいな発声でした。
↑ミツバツツジがもう咲いていました。
目が覚めるような鮮やかさです。
↑鈴なりになって咲いていたアセビの花。
小さなスズランのようで、とってもかわいらしいですね。
葉は有毒だそうで、
馬や牛が食べるとふらふらになるところから、
漢字では「馬酔木」と書くようになったとされます。
↑ヤブツバキもたくさん咲いていました。
↑足元にはショウジョウバカマ。
まるで道案内をしてくれているように、
散策路沿いに点々と咲いていましたよ。
↑シデコブシの花です。
斜面にあるので近づけませんが、
もう咲き始めているようです。
かなり大きな木です。
シデコブシは、
伊勢湾を取り巻く丘陵地帯の
湿地や沢筋などに生育する
日本固有の貴重な植物です。
自生地は足元が良くないことが多いので、
注意が必要です。
↑こちらはピンクのシデコブシ。
やっぱりあまり近づけませんが、
結構咲いているように見えます。
↑「築水池のシデコブシ自生地」の看板。
市の天然記念物に指定されており、
100株以上群落する市内最大の自生地
であることが書いてあります。
スタッフの方のお話では、
この地のシデコブシを守っていくために、
もともと自生していたシデコブシの種を栽培して
植林も続けているそうです。
↑淡い桃色のつぼみ。
細かい毛に覆われた殻を脱ぎ捨てて、
花びらが顔を出しています。
比較的近づきやすい場所にあるのは、
植林された株なのでしょうか、
小さめの木が多いです。
↑下向きに咲いていた花。
シデコブシの名の通り、
花びらが「紙垂(しで)」のように見えますね。
↑濃いめの赤のつぼみ。
先ほどの桃色のものとは趣が違います。
↑赤い花の咲きかけ。
花びらの外側は濃い赤ですが、
内側は白っぽいんですね。
↑赤い花の咲いたところ。
内側は薄紅色で、リバーシブルです。
↑野草園の片隅に顔を出していたミズバショウ。
「昭和50(1975)年に木曽開田高原の
ミズバショウの種子を植えて育つか試みた」
と説明書きがありました。
散策路はアップダウンがあって、
いい運動になりました(翌日、筋肉痛…)。
ウォーキングというよりは、プチ山歩きですね。
歩きやすい運動靴を履いて、飲み物を持参することをお薦めします。
シデコブシのほかに、
コバノミツバツツジやヤマザクラ
のつぼみもたくさん見かけたので、
これからの季節も楽しみいっぱいです。
取材日:2019年3月21日
春日井市少年自然の家
愛知県春日井市廻間町1102-1
TEL:0568-92-8211(少年自然の家)
※入園無料
※管理棟は午前8時半~午後5時開館。毎週月曜と年末年始は休館。
交通アクセス
○公共交通機関
JR中央線「高蔵寺」駅北口から名鉄バス「植物園」行きに乗り、「植物園」下車。
※県道53号を挟んで都市緑化植物園(グリーンピア春日井)に隣接。
○車
東名高速・春日井ICから北東へ約9km。
※無料駐車場あり。
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。