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コラム 花紀行

愛知県犬山市「ヒトツバタゴ自生地」のヒトツバタゴ

愛知県犬山市「ヒトツバタゴ自生地」のヒトツバタゴ

新緑を吹き渡る風が気持ちいい季節。

「スケールの大きな木に咲く花を見たい」と、
犬山市の「ヒトツバタゴ自生地」を訪ねました。

ヒトツバタゴは、
アジア東部と北米だけに見られるモクセイ科の落葉高木で、
犬山市を含む国内の自生地5カ所は全て
国の天然記念物に指定されています。

↑臨時駐車場から自生地までは、300メートルほど歩きます。

↑緑が多く、気持ちよく歩ける道です。

↑自生地の看板と共に、
 大きなヒトツバタゴの木が見えてきました。
 木全体に雪が降り積もったように真っ白!
 ほぼ満開に近いように見えます。

 昔は、正体がはっきりしない木という意味で、
 「ナンジャモンジャ」と呼ばれていたそうですが、
 まさに「なんじゃこりゃ」という感じです。

↑犬山市教育委員会による
 「ヒトツバタゴ自生地」説明板。

 当地の群生を発見し、
 「ヒトツバタゴ」と名付けたのは、
 尾張藩の植物学者・水谷豊文であることや、
 本種が「東海丘陵要素植物」と呼ばれる
 植物群の一つであることなどが記されています。

↑花びらは糸のように見えますが、
 よく見ると花冠が深く細く4裂しているのがわかります。

↑咲き始めのきれいな花たち。

↑開ききった花たち。

↑こちらはつぼみが多く、
 これから咲こうという花たち。

市の職員の方のお話では、
この自生地には全部で7本が群生しており、
大きいもので樹高は約15メートル、
古いもので樹齢は250年以上とのこと。

中には、こんな木も。

↑一番奥にあって、
 あまり葉や花が付いていなかった木。
 生命力が弱ってしまっているのかな。
 それでも、
 なんとか花を咲かそうとしている感じが
 健気です。

↑貴重なヒトツバタゴたちは、
 二重の柵に守られています。
 

↑ちょっと引いて見ると…。
 やっぱり大きい!
 「ちょっとした雪山」のようにも感じます。
 柵の左端に立っている人(大人)と比べると、
 そのスケールがわかると思います。

そして足元に目を移せば、
かわいらしい野の花たち。

↑レンゲソウ(ゲンゲ)。
 透明感があって、かれんな妖精のようです。

↑ハルジオン。
 お日さまに向かってアピールしているような咲き方(笑)。
 一生懸命咲いている感じがほほえましいです。

市内では自生地以外でも、
植栽されているヒトツバタゴを見ることができます。

↑県道16号線の「日の出団地」交差点から
 北に向かう数百メートルには
 街路樹にヒトツバタゴが植栽されていて、
 「フラワーロード」と名付けられているそうです。

学名(属名)が
「雪の花」という意味のラテン語「キオナンツス」であるように、
初夏に思いがけない雪の花を見せてくれるヒトツバタゴ。

葉の緑との組み合わせも爽やかで、
清々しい気分にさせてもらえました。

取材日:2019年5月11日

DATA

ヒトツバタゴ自生地

愛知県犬山市池野西洞
TEL:0568-44-0354(市歴史まちづくり課)
※入園無料

交通アクセス

○公共交通機関
名鉄犬山線「犬山」駅東口から岐阜バスコミュニティ明治村線に乗り、「神野(かんの)」下車、南西へ徒歩約10分。
○車
東名高速・小牧東ICから西へ5km弱。
※ヒトツバタゴの開花時期は、愛知用水沿いに臨時駐車場有り(無料)。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。