日中はまだまだ半袖の人も多い10月中旬ですが、
空気は確実に秋めいてきました。
秋らしくて開花期の長い花を探していたら、
江南市にあるフラワーパーク江南(江南花卉〔かき〕園芸公園)で
「ホトトギス」の群生が見られると聞き、行ってきました。
同園は、
愛知・岐阜・三重の3県にまたがる
国営木曽三川公園の13拠点の中でも、
最上流部に位置する、東西に細長い公園です。
↑園内マップ(上が西南方向になっています)。
供用面積は12.9ヘクタール(12万9千平方メートル)とのことで、
結構広いです。
↑園内東部にある大駐車場の近くにたたずむクリスタルフラワー。
休憩スペースや展示室、屋上庭園のある建物です。
手前にある水盤池の周りは、秋色の花々で飾られています。
目指すホトトギスの群生は、
西寄りの北側にあるシェードガーデンで見られると聞き、
木々が生い茂る北側の道を進みます。
案内看板によると、
シェードガーデンとは
「半日陰でも丈夫に生育する宿根層や樹木を組み合わせた花壇」とのことで、
散策路の北側は森のような雰囲気が漂っています。
↑散策路を歩いていたら、
ドライフラワーのようになったアジサイの足元に、
たくさんのホトトギスが咲いているのを見つけましたよ!
↑日陰がちな散策路北側のホトトギス。
散策路に向かって枝垂れた茎に、
鈴なりになって花が咲いています。
わずかな日光を浴びるために、
花や葉の重なりを避ける策略でしょうか。
↑散策路の南側にも。
こちらは、
茎がほとんど枝垂れることなく、
普通に咲き乱れています。
日当りのいい場所と日陰がちな場所で
茎の伸び方がこんなに違うなんて、
面白い発見でした。
(教えて下さったのは、
手入れをしていたスタッフさんです!)
日陰、日なたのあちこちに花群があって、
かなり見ごたえがあります。
↑上に向かって伸び上がるように咲いていた
日当りの良い場所の群生。
ホトトギスの名前は、
花びらの斑点が鳥のホトトギスの胸の模様と似ているため
付けられたといわれています。
↑よく見ると、とても面白い花の形をしています。
↑中心ににょきっと伸びた花柱(めしべ)の頭は3つに分かれていて、
それぞれその先端がさらに2裂しています。
花柱の外側には、おしべがあるのですが、
根元では花柱とくっ付いていて、
上方で6つに分かれています。
↑6枚ある花びらは、
よく見ると幅の広いのと狭いのが3枚ずつ交互に伸びています。
幅の広い3枚が外花被片、その間にある幅の狭い3枚が内花被片です。
花びらの根元付近に見える黄色い斑点は蜜標(みつひょう)といって、
昆虫に蜜のありかを教える〈しるし〉だそうで、
蜜は、その下の距(きょ)と呼ばれる袋状の場所にたまっているのだそうです。
↑「距」に長い口をつっこんで蜜を吸うホシホウジャクを
上から見たところ(左)と、横から見たところ(右)。
超高速で羽を動かして、ホバーリングしています。
花がたくさんあるからか、
かなりせわしなく飛び回っていました。
園内には、
ほかにもたくさんの花が咲いています。
↑日なたに咲くベロニカ(ゴマノハグサ科)や
アガスタシェ(シソ科)では
ツマグロヒョウモンが蜜を吸っていました。
↑園内西側にある反射池。
夏は熱帯スイレンでにぎわうこの池も、
今は静かな雰囲気です。
北岸に点々と見える赤く色づいたコキアが
秋らしさを醸し出しています。
↑園内に咲いていたシュウメイギクたち。
「こっち見て」といわれているようで、
思わず笑顔になってしまいます。
↑季節ごとに植え替えられる北側の花畑。
今はコスモスが植えられていて、
10月下旬に見ごろが迎えられるよう
調整中とのこと。
↑それでも咲き始めていた、気の早いコスモスたち。
いろいろな品種が植えられているようで、
見ていてワクワクします。
↑花畑の北東にある風の庭(グラスガーデン)。
パンパースグラスやチガヤ、ススキといった
イネ科の多年草がさわさわと風に揺れています。
手前の赤いもやのような植物は、
ミューレンベルギア・カピラリスという名前の
北アメリカ原産・イネ科ネズミガヤ属の多年草だそうです。
↑園内の各所で咲いていた
サルビア(シソ科)の仲間たち。
↑素朴なたたずまいの野の花も。
左:ミズヒキ。
右:ワレモコウ。
↑園内いたるところに備え付けられていた
おどろおどろしくもユーモラスな
ハロウィーンの装飾たち。
秋色の花たちとよくマッチして、
豊かな秋の気分を盛り上げてくれていました。
緊急事態宣言も解除となり、
人出も少しずつ戻っているようですが、
皆さんきちんとマスクをして、
感染防止に気をつけながら、
穏やかな秋の一日を楽しんでいるようでした。
心おきなく花を楽しめる日々が戻りますように。
新型コロナウイルスの一日も早い終息を祈ります。
取材日:2021年10月9日
フラワーパーク江南
愛知県江南市小杁町一色
TEL:0587-57-2240
開園:午前9時半~午後5時(12~2月は午後4時半まで)
※入園無料
定休日:毎月第2月曜(祝日の場合は翌日、8月は第4月曜)、12月31日、1月1日
交通アクセス
○公共交通機関
名鉄犬山線「江南駅」から名鉄バス・江南団地線「江南厚生病院」行きに乗り、「音楽寺」停下車、北へ徒歩約10分。
◯車
東海北陸自動車道・「一宮・木曽川IC」から北東へ約8km。
※無料駐車場有り。
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。