昼の長さが少しずつ長くなり、
日々力強さを増していく日差しに、
寒さの厳しかったこの冬の終盤を実感する今日このごろ。
一番に春の訪れを告げる花とされるフクジュソウを見たいと、
名古屋市にある「東谷山フルーツパーク」へ行って来ました。
江戸時代には「春告草(ハルツグソウ)」
とも呼ばれたというフクジュソウは、
落葉樹林の下に生える多年草(宿根草)で、
旧暦の正月(2月)ごろに咲き出すことから、
元日草(ガンジツソウ)などの別名もあります。
東谷山フルーツパークでは、
「本館」と「世界の熱帯果樹温室」の間にある
散策路の脇に植栽されており、
この時期、訪れる人たちの目を楽しませてくれています。
↑園内マップ(北は左になっています)。
↑本館から世界の熱帯果樹温室の方角を見たところ。
道の向こう側(左寄り)に黄色の小さな花群が見えます。
↑近付いてみたところ。
囲いと「福寿草」の案内看板があります。
↑日光を浴びて、ほぼ全開です(撮影時間はちょうど正午ごろ)。
↑上から見たところ。
うれしくなるような咲きっぷりです。
同園のご担当者によると、
天気の良い昼ごろがキレイに見られる時間帯で、
日光の当たらないくもりの日などは、
花は開かないか、半開程度なのだそうです。
今年は寒さのせいか、
園内の早春の花は全体的に開花が遅めだそうですが、
フクジュソウはほぼ例年通りではないかとのことでした。
↑花壇の反対側の植栽。
↑こちらは少し日の当たり具合が良くないためか、
つぼみが多い印象です。
↑地面から顔を出して、
まさにこれから咲こうという花たち。
花と一緒に出てくる葉っぱは、
まだ緑色ではなく、
土と同じ色をしています。
↑咲きかけの花たちを上から見たところ。
褐色の葉っぱが襟巻きのようです。
↑横から見ると、こんな感じ。
日光が当たって、花が金色に輝く王冠のようにも見えます。
フクジュソウは意外と花期が長く、
3月に入っても花は楽しめるようですが、
暖かくなると葉っぱの方が目立つようになるため、
この美しさはやはり早春だけのもののようです。
園内には、
ほかにもこの時期ならではの花たちが
たくさん咲いていました。
↑梅園。
園内には40品種、約150本のウメがあるそうですが、
全体的には、まだ1~2分咲きといったところでしょうか。
↑その中でも、きれいに咲いていたウメたち。
園内にはロウバイも点在していますが、
まとまって見られるのは、
園内南側にあるポポー園脇と、
西北のモモ園の路傍とのこと。
↑ポポー園脇のロウバイ。
ここだけで15本ぐらいあったでしょうか。
「今日はこれを見に来たの」という女性たちが
熱心に見入っていましたよ。
足元には紅白のボケの花も咲きかけていました。
↑モモ園の散策路脇で見つけた
ロウバイとマンサク。
ロウバイもきれいなんですが、
隣り合って咲いていた
黄色と赤色のマンサクも目立っていました。
まだつぼみが多いため、
苞の中に細長い花びらがくるくるとたたまれて収納されている様子を
観察することができました。
↑マンサクといえば、
園内北側の水辺に咲いていた株が満開でした。
日当たりや風当たり(気温?)の関係でしょう。
園内のマンサクは、
いずれも花の大きなシナマンサクのようですが、
早春に「まず咲く」花であることには変わりなく、
見ているだけで明るく温かい気持ちになりました。
また、
散策路ではスイセンや
サザンカ、ツバキもきれいに咲いていました。
西側のみかん園周辺では、
いろいろなツバキの品種が見られます。
今年は花付きが良くない株が多いとのことですが、
ピンク色のワビスケ系の花だけはたくさん咲いていて、
華やいだ雰囲気を放っていました。
↑色々なツバキたち(赤系)。
↑色々なツバキたち(白~ピンク系)。
あまり目立たないけど、
こんな花たちも咲いていました。
↑ヒイラギナンテン(左)と
ウグイスカグラ(右)。
園内では結構レアキャラのようですので、
訪れた際に探してみてはいかがでしょうか。
ほかに、
アーモンドやモモなどの木々にも
つぼみがたくさん付いていて、
花でいっぱいになるであろう
本格的な春が待ち遠しくなってしまいました。
「フルーツパーク」らしく、
果樹園や温室、売店もありますが、
四季折々の花もたくさん植えられており、
フルーツだけでなく、花と果樹を楽しめる公園でした。
丘陵地もある園内をくまなく歩き回るには、
運動靴と動きやすい服装で散策することをお薦めします。
心おきなく花を楽しめる日々が戻りますように。
新型コロナウイルスの一日も早い終息を祈ります。
取材日:2022年2月23日
東谷山フルーツパーク
名古屋市守山区大字上志段味字東谷2110
TEL:052-736-3344
※入園無料、月曜定休、午前9時~午後4時30分開園
※世界の熱帯果樹温室への入場は、大人300円、中学生以下無料、65歳以上(名古屋市在住)100円
交通アクセス
○公共交通機関
JR中央線・愛知環状鉄道「高蔵寺駅」南口から徒歩約25分。
または、愛知環状鉄道「中水野駅」より徒歩約30分。
または、大曽根発のゆとりーとライン(ガイドウェイバス)「高蔵寺」行きに乗り、「東谷橋」下車、徒歩約15分
または、「藤が丘」および「小幡」発の市バス「東谷山フルーツパーク」行きに乗り、終点で下車、徒歩約13分
◯車
名古屋第二環状自動車道・松河戸ICから国道302号、県道202号経由、北東へ約10キロ。
◎5カ所に840台収容可能の無料駐車場有り。
※ただし、「シダレザクラまつり」などのイベント期間中は有料となります。
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。