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コラム 花紀行

愛知県豊田市「大井平公園」のシャクナゲ

愛知県豊田市「大井平公園」のシャクナゲ

梅雨に入る前の、
気候も良く、草木が生長して生い茂る美しい「初夏」。

爽やかな空気と新緑を楽しみつつ、
この時期ならではの花を堪能できる場所はないだろうか。

そこで、
愛知県豊田市の稲武町(標高500メートル前後の山間の地域)
にある「大井平公園」へ、
3種類約700株あるというシャクナゲを見に行って来ました。

↑大井平公園に設置されていた稲武地区の観光案内看板。
(この地図では、上が西、北は右になっています)

大井平公園は、
道の駅「どんぐりの里いなぶ」から国道153号と同257号経由で
南東へ1キロちょっと。

江戸後期に起こった天保の飢饉(ききん)の際に当地を救い、
学校を興したり共存共栄の林業を実践した豪農・
古橋暉皃(てるのり)の逝去にあたり、
明治33(1900)年に古橋家が造成した公園だそうです。

↑標高889.4メートルの城ケ山(じょうがさん)の
登山口の一つにもなっているため、
登山ルートの地図看板もありました。

国道257号を挟んで、
南西側に広い駐車場や吊り橋、展望所があり、
北東側に城ケ山の登山道口やシャクナゲ園があります。

↑山の斜面にあるシャクナゲ園へは
ここから登ります。

↑少し登ったところ。
緑色やオレンジ色したモミジの葉や、
雪のように見えるヒトツバタゴの花がきれいでした。

↑プロペラのような形の翼果を付けたモミジと、
真っ白な小さい花を木いっぱいに咲かせていたヒトツバタゴ。

↑登りの石段。
趣があって、歴史を感じます。

↑「巨木の森シャクナゲ園 城ケ山遊歩道」
と読める木の看板。

観光協会の方のお話では、
今年のシャクナゲは少し咲き始めが早くて、
下の方はほとんど花が終わっているが、
少し登った上の方はまだきれいとのことでした。

↑少し登ってきたところ。
確かに終わってしまっている花もありますが、
道の両側にはまだまだたくさんのシャクナゲが咲いていました。

↑もう少し登って、振り返ったところ。

スギの木立に守られるように、
慎ましやかに咲いた
白やピンクのかれんなシャクナゲの花。
思わず見とれてしまいます。

↑少し花に近付いたところ。
つぼみや咲きかけ、枯れた花が混在していますね。

↑ツツジに似た花を放射状~球状に咲かせるシャクナゲ。
つぼみの形も面白い!

↑ピンク色のシャクナゲたち。

↑白色のシャクナゲたち。

↑色々なシャクナゲの花を間近に見たところ。
「花木の女王」という呼び名に違わぬ
気品を感じます。

冒頭で、
当地のシャクナゲは3種類と書きました。

その内訳は
セイヨウシャクナゲ、
ホンシャクナゲ、
ホソバシャクナゲで、
主に葉の形状で区別するようです
(若干花の大きさにも違いがあるようですが)。

事典によると、
セイヨウシャクナゲは葉が幅広くて、裏に毛がなく、
ホンシャクナゲは葉の裏が淡褐色で短毛があり、
ホソバシャクナゲは葉が細長く、裏に褐色で長めの毛が生えているそう。

ぱっと見た感じではほとんど区別がつきませんが、
葉の裏が緑色で毛がないというセイヨウシャクナゲと、
葉が細長いホソバシャクナゲは何となくわかりました。

↑表情豊かなつぼみたち。

↑咲きかけの花を上から見たところ(左)と、
花が終わった後(右)。

道沿いには小さな水たまりもあり、
様々な生物に出合いました。

↑左から、
ムネアカオオアリ、オタマジャクシとアメンボ、オオカワトンボ(いずれも推定)。

↑左上から時計回りに、
ツリバナ、ハクウンボク、
スルガテンナンショウ、ヒメウツギ(いずれも推定)。

「大井平の豊かな自然」という看板を見ると、
タイミングが合えば、
ムササビやアサギマダラが見られる可能性もあるようです。

シャクナゲを堪能した後は、
国道257号を挟んで南西側にある吊り橋へ。

↑名倉川(矢作川水系)に架かる
「風のつり橋」と命名された
単径間無補剛吊橋(木床版)。

どんぐりの里整備計画に基づいて2010年に完成したそうで、
銘板には、
塔柱13メートル、全長86メートル、幅2メートルとあります。

橋の真ん中付近では少し揺れを感じましたが、
見晴らしも良く、心地良い川の水音を聞きながら
気持ち良く渡れました。

↑吊り橋のたもとにある散策路。
名倉川の流れを利用した小水力発電施設(写真左下)があり、
ここで発電した電力は、
大井平公園のトイレの照明や外灯などの電源として
利用されているそうです。

なかなか雰囲気の良い景色のためか、
様々な年齢のカップルが記念撮影をしていましたよ。

大井平公園では、
これからの季節はヤマアジサイやヤワタソウ(別名オトメソウ)、
秋には紅葉が非常に美しいそうですので、
また違う季節にも訪れてみたいなあと思いました。

吊り橋周辺だけなら普段の履き物で大丈夫ですが、
シャクヤク園のある登山道の方へ行く際は、
足にフィットした、運動に適した靴を履いていくことをお薦めします。

心おきなく花を楽しめる日々が戻りますように。

取材日:2022年5月19日

DATA

大井平公園

愛知県豊田市稲武町大井平51
TEL:0565-83-3200(いなぶ観光協会)
※入園自由

交通アクセス

○公共交通機関
 名鉄三河線「豊田市駅」南口から、とよたおいでんバス「快速いなぶ」に乗り(約1時間20分/平日は1日4往復、旧前日は2往復)、「どんぐりの湯前」停で下車、国道153号と同257号経由で南東へ徒歩約15分。
◯車
猿投グリーンロード・力石ICから国道153号と同257号経由で北東へ約34キロ。
※無料駐車場有り。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。