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コラム 花紀行

愛知県阿久比町「花かつみ園」の花かつみ(ノハナショウブ)

愛知県阿久比町「花かつみ園」の花かつみ(ノハナショウブ)

東海地方では、
平年より8日、昨年より1日遅い
梅雨入りとなった6月14日。

雨天でも楽しめる花を求めて、
愛知県阿久比町の「花かつみ園」へ行って来ました。

知多半島の中央部に位置する阿久比町。

その中心部には、
南北に二級河川・阿久比川が流れ、
のどかな田園風景が広がっています。

知多半島道路の阿久比インターや、
名鉄河和線の特急が停車する阿久比駅を有し、
内陸工業地域としても発展を遂げつつあります。

同町の西北部、
田園地帯と工業地帯に囲まれた県道沿いに
「花かつみ園」はあります。

↑駐車場から園内へ。
新型コロナウイルス感染拡大防止対策で、
一方通行の順路が設定してあります。

↑東西に長い園内の、東側から西側を見たところ。
左手のフェンス越しに見えているのは、
下芳池です。

↑少し奥に進んだところ。

例年は、
花かつみの見ごろの時期(6月上旬~中旬)に
売店やイベントが催されるそうですが、
新型コロナウイルスの影響によって、
ここ数年は中止となっているそうです。

今年は6月4日(土)~19日(日)の間、
設置されたテントに保存会のメンバーが常駐し、
花かつみ園のパンフレットなどを配布しているとのこと。

↑保存会の方によると、
最近植え替えをした東側より、
西側の方が今年は花の勢いが良いのだとか。

↑確かに、西側の方が草丈が高く、花付きも良いようです。

↑阿久比町で「花かつみ」といえば、
このノハナショウブを指します。

万葉集にも詠まれ、
古くから「花かつみ」の名は広く知られていましたが、
実際はどの花を指すのか諸説あり、
松尾芭蕉が『奥の細道』の中で
探し求めたのに見つからなかったことから、
幻の花ともいわれました。

阿久比町には、
花かつみにまつわる悲恋伝説があり、
室町時代、伯耆の国(元・鳥取県西部)から
現在の花かつみ園周辺(芳池)に移植されたと伝わっています。

また、
桶狭間の合戦に際し、
徳川家康の生母・於大が「花かつみ」と(戦に)「勝つ」をかけて、
仏前に捧げたという話も残っているそうです。

↑ハナショウブの原種といわれるノハナショウブ。
ハナショウブやカキツバタと比べると、
若干きゃしゃで、すっきりとしている印象を受けます。

↑咲いたばかりの花。
青みを帯びた濃い紫色が、高貴な雰囲気です。

↑風にあおられて、なびく花びら。
一つ前の写真と比べると、
開花が進んでいる分、
全体に少し赤みを帯びているように見えますね。

↑園内の中央あたりに建てられている記念碑。

南面には、
阿久比町に伝わる花かつみの伝説や
現在の花かつみ園造成について、
東面には、
花かつみを詠んだ和歌や俳句が刻まれています。

↑花かつみ園は1989年に記念碑とともに造成され、
開花期に期間限定で一般公開されていたそうですが、
2014年に「花かつみ園」遊歩道が整備されてからは、
通年、一般開放されるようになりました。

↑左奥に見える青いハウスのようなものは、
ドーム型のビオトープで、
平家ボタルを育成しているそうです。

阿久比町は
「ホタル飛びかう住みよい環境づくり」を目指しており、
町ぐるみで保護活動に取り組んでいます。

↑園内ではアジサイも見ごろ。

↑梅雨空に青いアジサイとノハナショウブ、
あずまやの赤い柱が鮮やかです。

↑地元の方から寄贈されたというアジサイは、
生育状況も良く、見応えがあります。

↑弾けるように咲いていたガクアジサイ。
真ん中に固まって咲いた「真の花」が泡のようで、
ソーダ水を飲みたくなってしまいました。

園内では、ほかにもいろいろな花に出合いました。

↑左上から時計回りに、
ムクゲ、ナンテン、マツバギク、スイレン
(いずれも推定)。

白、ピンク、赤の花たちはどれもかわいらしくて、
緑色と紫色がメインの園内で
いいアクセントになっていましたよ。

室町時代に、
遠く鳥取県から当地に伝わり、
地元に根付いた「花かつみ」。

2010年には、
室町時代の伝説が縁で、
様々な人の尽力によって、
阿久比町から鳥取県倉吉市に株分けされ、
交流も図られているようです。

人と人との関わりの中で、
花が重要な役割を果たしていることが
よくわかるお話ですね。

一人でも多くの人の人生の彩りとしていただけるよう、
これからも花の美しさを大切に伝えていきたいと思いました。

心おきなく花を楽しめる日々が戻りますように。

取材日:2022年6月14日

DATA

花かつみ園

愛知県阿久比町大字草木字上芳池地内
TEL:0569-48-1111(阿久比町産業観光課)
※入園自由

交通アクセス

○公共交通機関
名鉄河和線「阿久比駅」から、阿久比町循環バス「アグピー号」オレンジラインに乗り(便により約17分または約30分)、「福池公園」停で下車、県道259号経由で南西へ徒歩約15分。
◯車
知多半島道路・阿久比ICから県道46号と同259号経由で西へ約2.5キロ。
※無料駐車場有り。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。