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コラム 熱湯コラム「いで湯のあしあと」

信州・湯田中温泉

信州・湯田中温泉

 コタツのある部屋に通され、早速まずは平安風呂に急いだ。季節によっては入れるものを変えるアイデア風呂。これが名物のりんご風呂である。冬の期間は、秋に収穫した定形外などのりんごを入れるそうな。ドアをがらりと開けると、湯気とともにぷ~んと、ほのかに甘いりんごの香り。なんだか妙にウキウキしてきて、たまっているりんごの中にダイブした。そういえば風呂の入り口に、「私はかわいいりんごちゃん  りんごと楽しいひとときを」なんていうイカした札が掛かってた。浮かんだりんごに鼻をくっつけて匂いをかいだり、キャッチボールしたりして、文字通り楽しいひとときを過ごさせていただきました。

 さて、お風呂の種類のみならず、湯質・湯量とも申し分ない天然温泉。ここの源泉は90℃で、地下150mから湧き出ており、3種類の混合泉である。これらの混合泉を、30m下より湧き出る地下水で加水し、50度くらいにしているのだ。源泉が高温のため加水しているものの、さらりとした美肌の湯。りんごの甘さやビタミンが、その効能を増している気もする(そう信じて長湯する)。

 湯上り後は、やはらかい信州牛ステーキのついた食べきれないほどの夕食を個室でいただいた。お膳でのサービスも、古い雰囲気を巧く演出する手法のひとつだろうか?

 翌朝、最後に檜風呂とりんご風呂を満喫した後チェックアウトをし、温泉饅頭を買うために温泉街を散策した。さすが温泉街、饅頭屋が至る所にある。宿の近くの『松月堂』から出る湯気に誘われて入ると、「まんじう一筋50年」というおじさんが、蒸かしたての温泉饅頭を試食にくれた。

 一つ一つおじさんが丁寧に作った蒸かしたてのまんじうは、ふわっふわでとても美味であった。
「俺が作ってんだから、冷めてもオイシイよ!」と言って、にっと笑った。
いやぁ、いい笑顔だなぁ!味と笑顔につられて、私達は全員1箱ずつ購入した。
こういう温泉街には、こういうおじさんがよく似合う。

【湯田中温泉 清風荘】
住所: 長野県下高井郡山ノ内町新湯田中温泉
電話: 0269-33-3295
アクセス
 公共交通機関: JR中央線 長野駅-長野電鉄特急(45分)-湯田中駅下車、徒歩2分
 車の場合: 中央道-(岡谷JCT)-長野道-(更埴JCT)-上信越道 信州中野IC-R292で湯田中方面へ(約20分)
温泉地名: 新湯田中・ホナミ3号、新湯田中1号、新湯田中2号の混合泉
泉温(源泉): 90℃(PH値 7.3)
泉質名: 単純温泉(低張性中性高温泉)
色・味・匂: 無色透明・無味無臭
効能: 疲労回復、腰痛、筋肉痛、肩こり、神経痛、リューマチ、高血圧、胃腸病、婦人病
料金: ¥10,650~¥15,900(一泊二食付、様々なプランあり)
公式HP: http://www.yudanaka-seifuso.com/

2010年02月23日

コラムフォト

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取材担当プロフィール

みなもといずみ
近場から遠出まで、行く先々に温泉マークを見つければすぐに飛び込んでしまうほどの温泉女。出張先ですら、温泉があればタオルとパンツを持ってでかけます。女である以上、温泉に癒される人生は永遠です。行き当たりばったりの旅が大好きな私のあこがれは、スナフキン。点々と旅を続けながらいで湯を求め、足あとを残していきたい!