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コラム 熱湯コラム「いで湯のあしあと」

富山・小川温泉

富山・小川温泉

 久々にちょっと足を延ばしたくなった。
雪道が心配ではあるものの、冬だからこそベタに雪見温泉につかりたい!!!
舞い落ちてくる雪を仰ぎながら、お盆にポン酒を浮かべてゆったりと湯につかり・・・なんていう光景を想像したら、ニッポン人なら誰でも、いてもたってもいられなくなっちゃうんではないでしょうか。

 ウェブサイトでたまたまHPを見つけてから、ず~っと行きたいと思っていた温泉宿が富山県にある。
迷うことなくターゲットをそこに設定し、いざ東海北陸自動車道の先端へ・・・。

 同じ中部地区にありながら、富山県というのは遥か彼方にあると思っていた。が・・・東海北陸自動車道バンザイ!!3時間ほどで富山ICを通過、さらに北陸自動車道を30分ほど走り、朝日ICで降りる。
そこからさらに灰色の雪に覆われた田舎道を20分ほど走り、小川の清流に沿って一本道を行くと、小川温泉に到着である。

 ここ小川温泉には、『ホテルおがわ』1軒しか宿がない。つまり、今走ってきた道は、ホテルおがわの宿泊客しか通らない。よって、インターから20分といっても、秘境の雰囲気満載である。
1軒しかないといっても、「ででーん」と存在感のある建物が、山と川をバックに聳え立つ。客室51室、レストランもラウンジも会議室も宴会場もナイトクラブも湯治施設も抱え持つ、立派な秘境リゾートなのである。

 そして、元湯であるここの宿は、もちろん源泉100%の掛け流し、5ヶ所のお風呂を持っている。
ここの名物である天然洞窟露天風呂(湯の華が凝固してできた洞窟)は、残念ながら冬季は営業しておらず、入ることはできないという。それでも、宿内に様々な趣を持ったお風呂を3ヶ所も楽しめる。

 部屋へ通してくれた仲居さんの話をそわそわ聞きながら、終わったとたん、まずは最初に露天岩風呂へ繰り出した。扉を開けると、なんと貸切りである♪
いそいそと素っ裸になり、こぽこぽと湧き出す源泉の中へ身体をすべらせた。

 あ~・・・、キモチイイ・・・身体中の血流がどくどくと流れていくようだ。
上部の岩からは、惜しみなく豊富な湯量の源泉がばしゃばしゃと流れ落ちる。血行促進ついでに、そこにあるコップで飲泉する。

 体の中からも外からも源泉で満たされた後は、じっくりとお湯につかって外の景色を堪能した。岩で造られた天然露天風呂の向こうには小川が流れており、向いの山頂あたりは湯煙ともやで霞がかっていて、何とも風情ある景色が広がる。雪はやんでいたが、外は真っ白な冬景色が美しい。

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取材担当プロフィール

みなもといずみ
近場から遠出まで、行く先々に温泉マークを見つければすぐに飛び込んでしまうほどの温泉女。出張先ですら、温泉があればタオルとパンツを持ってでかけます。女である以上、温泉に癒される人生は永遠です。行き当たりばったりの旅が大好きな私のあこがれは、スナフキン。点々と旅を続けながらいで湯を求め、足あとを残していきたい!