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ニューオーリンズ 肥満怖い美味ポボイ

2008年08月22日

 べたーっとした湿気と異国情緒が漂う米深南部の港町ニューオーリンズ。楽しみの一つは独特の料理だ。シーフードたっぷりのガンボスープに、炊き込みご飯のジャンバラヤ、四角いドーナツのベニエ…、どれもほっぺたが落ちる。

 市内の黒人居住区で取材中「ポボイは食べたか?」と聞かれた。ポボイは南部の発音で「プア・ボーイ」のこと。長いパンに切れ目を入れ、カキフライやエビなどを野菜と一緒に挟んで食べる。名前の通り、もともと貧しい人たちの食べ物だったらしいが、塩辛いカキフライとパンの組み合わせが実においしい。すっかり病みつきになってしまった。

 しかし、ふと辺りを見回すと、でっぷり太った人たちが。米国の肥満度調査でトップ5州はすべて南部。揚げ物料理が多いことと、貧困層が多く、ファストフードが好まれるからだという。おいしいが、やはり脂肪は怖い。空港で食べた最後のポボイが、名残惜しかった。

 (加藤美喜)