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ソウル 旧盆のたび北の話題

2008年09月26日

 韓国で旧盆に当たる秋夕(チュソク)(中秋節)は、旧正月と並ぶ大切な名節だ。墓参りなどのため、都会から故郷へ向かう「民族大移動」を繰り広げる。今年の秋夕連休は13-15日と短かったのに、例年通りに交通網は混雑した。

 故郷に集まった一族のそれぞれの話題は何だったのだろう。家族の健康か、悪化する一方の景気か、あるいは隣国の指導者の話か。保守系新聞は「秋夕のたび帰省客が渋滞中に飽きないように、話題を提供してくれる北朝鮮」と皮肉り、一昨年の核実験に続く、金正日総書記の脳卒中説を政治漫画で扱った。

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙・朝鮮新報によれば、北朝鮮でも秋夕に家族や親類が集まって楽しいひとときを過ごすという。

 とすれば、世界を揺るがした「将軍様が病に倒れた」は住民に広まったのか。広まったなら北朝鮮は変わるのか。直接取材できないのがもどかしい。 (築山英司)