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バンコク 政権脅かす“中国製”

2008年12月08日

 中国製の食品が世界中で問題になる中、バンコクでは別の中国製品が世間を騒がせている。催涙弾だ。

 今月7日、首相府占拠を続けている反政府市民団体のデモ隊がソムチャイ新首相の施政方針演説阻止を狙い、国会周辺を封鎖。警官隊は催涙弾を発砲し、デモ隊を強制排除した。2人が死亡、500人以上が負傷した。

 医師が調べたところ、催涙弾が直接当たって1人が死亡し、手足を吹き飛ばされた重傷者もいた。この殺傷力の高い催涙弾が中国製だった。

 警察当局は中国製催涙弾を「リコール」する方針だ。といっても、中国に回収、改善させるわけではなく、タイ当局が在庫をすべて集め、廃棄処分する。

 ソムチャイ政権は多数の死傷者を出した強制排除の責任問題で、存亡の機にある。“中国製”は政権を殺傷する力も持っているようだ。

 (古田秀陽)