2009年02月17日
ノルウェーの首都オスロはフィヨルドの港町。すし屋に入ってみた。カウンターに立つのは、名古屋で数年暮らしたというパキスタン人男性。包丁さばきはなかなかだ。
刺し身のつまは白いダイコンではなく、ボルシチに入れる濃紅のビーツ(カブに似た野菜)の千切り。しっとりしたサーモンや白身魚のオヒョウ、新鮮なアマエビなどを次々と出してくれた。
腹いっぱいになったころ「本日のお勧め」を書いた小さな黒板を目にして、気持ちがひいた。ヒラマサやタイと一緒にこんなネタが並んでいたからだ。
「バラクーダ、カンガルー、クロコダイル、ドルフィン」
これはジョークかと尋ねると、白人のウエートレスが真顔で首を横に振った。
「日本の特別メニューですよ」
注文してみなかったことを後悔している。
(清水俊郎)