2009年03月27日
年末に出張が続いた。あわてて家族で旅行に行こうと思ってもどこも満杯。困っていたところに、帰省旅行する友人から合流を誘われた。昨年夏から戦闘が激化しているミンダナオ島だ。電話で妻の説得にあたった。
「きれいなビーチがあるって誘われたから××に行こうよ」「それどこ?」。「うーん、実はミンダナオ」と小さな声で答えると、妻は怒りだした。
「幼児を連れてミンダナオ?」「いや、どこでも危ないわけじゃない。安全は保証するって言うし」「どう保証するのよ」
自信満々に答えた最後のひと言がいけなかった。「国軍に護衛を頼むから大丈夫。兵士5人ぐらいにばっちり見張ってもらい―」。電話を切られた。
この年末年始もフィリピンのリゾートは大勢の観光客であふれていたが、すぐ隣では、今も殺し合いが続いている。
(吉枝道生)