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マニラ 時差ボケ解消なるか

2009年04月30日

 2010年に迫ったフィリピン大統領選有力候補の講演を聴きにいった。比外国特派員協会の主催だから時間には正確だろう-と考え、開始時間の20分後には会場に着いた。

 甘かった。開始の気配は全然ない。30分ほど待つと顔見知りの記者が現れ「そんなに早く来てどうしたの?」と笑う。

 「フィリピン時間」の読みは難しい。指定された時刻に取材に行くと早すぎて待たされることが多いが、油断していると時間通りに始まることもある。

 今国会に「フィリピン標準時法案」が上程された。政府機関などの時計の時刻を統一しよう-という画期的な法案だ。ここでは、テレビの時報もバラバラだし、お役所の時計の針もみな違う方向を指し示す。それが遅刻の言い訳にもなる。

 提案者は説明する。「この法律で皆、同時に新年を迎えられる」。今までは新年の瞬間すらずれていたらしい。 (吉枝道生)