2009年04月23日
モスクワで最近、路上や空き地に廃棄された車が急増している。こんもりと雪に覆われ、その形でようやく車と分かるものが中心部でもよく目立つ。地元紙によると、老朽化や故障で車が動かなくなると所有者がナンバープレートを外して放置するのだという。
知人によれば、以前は廃車手続き後、専門業者が引き取っていた。当時は部品が高く売れたから結構なお金を業者が払ってくれた。それが経済危機の今は運送代の方が高くなり、業者は対価を支払わない。だれも業者に託さなくなり、一気に放置が増えたそうだ。
それにしても放置とはいかがなものか-と聞かれた知人は、一笑に付した。「“ただ”でどうして面倒な手続きをするのか。ほっておけばそれでおしまい」。自動車まで使い捨てということか。そんなずさんさがこの国の経済危機をひどくしているというのは、考えすぎか。
(中島健二)