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平沢 交戦の悲劇を語る碑

2009年06月22日

 ソウルからバスで南へ約1時間半。京畿道平沢港にある韓国海軍第二艦隊司令部を訪れた。

 第二艦隊は朝鮮半島西側の黄海で南北を分ける北方限界線(NLL)付近を担当する。1999年と2002年に延坪島付近で起きた南北警備艇交戦の死者を悼む記念碑が2つ敷地内の高台に立っていた。99年の「戦勝碑」に対し02年は「戦績碑」。同行者は「2回目は負けたということ」という。99年は北朝鮮の警備艇一隻沈没に対し、韓国は負傷7人。02年は韓国が警備艇一隻沈没、死亡6人の犠牲を出したが、北朝鮮は1隻が炎上したものの詳しい被害は不明だ。

 海底から引き揚げた警備艇が高台のすそに展示されていた。砲撃で鋼板に無数の穴があき、生々しい傷跡が残る。甲板のバルカン砲の横には戦死した兵士の写真に太極旗と詩が添えられ、涙を誘う。詩の題名は「自由」だった。

 (築山英司)