2009年09月02日
「事務所は改装して“日本スタイル”にするつもりだよ」。ロシア・ウラル山脈の東、マグニトゴルスクで最も歴史のある地元紙の編集長は自慢げに話した。日本スタイル?
いったいどんな改装なのかと問うと「とにかくモダンなものをここでは日本風って言うんだ」。実はちょいと田舎のこの街、モスクワなどより少し遅れてここ1、2年、日本ブーム襲来中とか。
レストランに入れば和食店でなくても「日本風の茶」と書いた一品がある。注文すると多少、日本茶の香りがするハーブティーが出てきた。日本食レストランも続々開店し現在は五軒。昨年末開業の店に入ると、メニューがすしとみそ汁だけなのにはまいったが、味はまともだった。
ただ、巨大な製鉄所に支えられる企業城下町のこの地を経済危機が直撃。人気の和食も大苦戦という。かの編集長も改装を散々自慢した揚げ句、寂しげにぽつり。「だけど不況で工事は無期延期なんだ」 (中島健二)