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ハバロフスク 表の誇り 裏では困り

2009年09月05日

 「もちろん、誇りです」。先日、ロシア極東では初めて、ロシアと欧州連合(EU)の首脳会議が開かれたハバロフスク。開幕を前に地元の女性が目を輝かせた。

 ここ数年、ロシア政府は国土の均等な発展を掲げ、極東開発に力を注いでいる。地元では今回の会議も極東重視の表れと受け止められた。

 「街はきれいになったし、もう欧州に紹介されても恥ずかしくない」と女性。なるほど、中心部の整備された街並みを一見した限り、経済不況もここでは無縁のようだ。

 が、その実、主要産業の中古自動車輸入や木材輸出が政府の関税引き上げで大打撃を受け、失業者の急増など経済の土台は大きく揺らいでいる。

 郊外で小さな木材加工の工場を営む男性は「開発といっても利益は中央の政府や企業が吸い上げる。会議じゃ腹はふくれないよ」。油で汚れた顔が、街の実情を物語っていた。

 (酒井和人)