2009年06月09日
先ごろ行われたモンゴル大統領選は、中傷合戦ばかりが目についた。
モンゴル人は、清朝時代に間接支配された経緯から中国に嫌悪感を抱くとされ、現職だったエンフバヤル陣営は「相手候補の先祖は中国人。それに性格は口先ばかりだ」と攻撃。エルベグドルジ陣営は「相手は公金で私腹を肥やしている」と応酬し、モンゴルの外交筋は選挙戦を冗談交じりに「泥棒とペテン師の争い」と表現した。
政策面の争点が分かりにくい中、勝ったのはエルベグドルジ氏。モンゴル紙は選挙戦後、「両陣営とも、悪口を言うためにテレビCMに膨大な金をかけた」と批判。現職の敗因を「中傷の仕方が悪かった」と皮肉たっぷりに分析した。
「選挙中は両陣営が次々に自宅に来て、うんざりだった」とはウランバートルのタクシー運転手。選挙が終わり「やっと解放される」と苦笑していた。 (朝田憲祐)