2009年09月09日
小学生の娘が先日、学校で配られた小箱を持ってきた。冷戦下、旧ソ連に封鎖された西ベルリンへ物資を運んだ空輸作戦の終結60周年式典の記念品だった。
1948年6月から11カ月間、延べ約27万便が西側から“空の懸け橋”となって230万トンの生活物資を届けた。パイロットたちが着陸直前、干しぶどう入りチョコレートなど、菓子を小さな落下傘に付けて子どもたちに投下したため「干しぶどう爆撃機」の愛称で親しまれた。
テンペルホーフ空港での式典では、その「爆撃機」が飛んで菓子の投下を再現するなど、多彩な催しがあった。作戦に参加した退役軍人や年配の市民とともに、子どもたちも歴史をかみしめた。
娘の学校で配られたのは、式典で投下されたのと同じ菓子の小箱。子どもたちにはちょっとした宝物のようだったが、この都市は、歴史との出合いにあふれている。次はどんな宝物を見つけてくるか楽しみだ。 (弓削雅人)