2009年09月14日
「見てくれ。これ、朝青龍のおやじにもらったんだぜ」。モンゴルの首都ウランバートル郊外。横綱朝青龍関の父親の友人という遊牧民の男性が、移動式住宅「ゲル」から空の一升瓶を抱えてきた。
男性は瓶のラベルを指さし「日本語で『朝青龍がプレゼントした』と書いてあるだろ」と自慢げに言う。読み取れたのは日本酒の銘柄だけだったが「違う」ともいえず、あいまいにうなずいた。
味の方はと聞くと、「悪くなかったが、一本空けても酔えなかった」。彼らがふだん飲む「アルヒ」と呼ばれるモンゴル焼酎は、アルコール度数が約40度。納得できないわけではないが、一升酒で酔わないとは…。
「夏にまた来な。自家製の馬乳酒を飲ませてやるよ」と見送られた。馬乳酒は酔うための酒というより栄養たっぷりの乳酸飲料で、子どもも飲むという。とはいえ、少量だがアルコールも含まれる。遊牧民の酒の強さは、幼少時から培われるのかも。 (朝田憲祐)