2009年09月17日
フィリピンのイメルダ・マルコス元大統領夫人に会うことができた。
高級マンションのペントハウス(最上階)に足を踏み入れると、巨大な故マルコス大統領の肖像画や若かりし夫妻が寄り添う油絵など、栄華を誇った日々の思い出が壁を埋め尽くしていた。夫人は、巨大なダイヤの指輪を輝かせながら「お金がない」と涙をふいた。
15分インタビューできたら成功と考え質問を練ってきた。それが1時間後、マルコス大統領から求愛された際の思い出話となり、彼からもらったラブレターや指輪を見せてくれた。2時間後、戒厳令時代の話に熱が入る。3時間後、「ピープルパワー革命」で亡命した後の恨みつらみ…。
それも、ほとんど立ったままの独演会だ。伝説に彩られた“女王”も間もなく80歳になる。とはいえ、ほとばしるエネルギーは今も常人の及ぶところではなかった。 (吉枝道生)