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ワシントン 教育でも全米の顔に

2009年09月26日

 首都ワシントンの教育改革を取材するため、初めて市内の公立小、公立高をそれぞれ訪ねた。ワシントンは世界政治・経済の中心としての華やかな面と、高い犯罪発生率や貧困率など暗い面の二つの顔を持ち合わせる。

 いずれの学区も治安が最悪というわけではないが、卒業式が行われていた小学校では体育館の外で警備員が見張り、高校の玄関には金属探知機が設置されていた。

 高校で社会科を教えるケリー・シルビアさん(40)は「全校生徒800人のうち100人がいわゆるホームレス」と明かした。自宅がなく避難所から通う生徒もいれば、罪を犯して矯正施設から通う生徒もいるという。

 「食事、睡眠も十分取れないまま、学校にただ疲れに来るだけという生徒もいる」とシルビアさん。そんな中で全米最低レベルの学力水準をいかに引き上げていくか。公教育の再生は容易ではない。 (岩田仲弘)